ターブ (単位)

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ターブ(tave)は、音程の違いを表す単位である。名称は後述のように、ピアニストのアリエウス・ターブに由来するものである。近年はオクターブという表現が見られるが、これは正しく書くと億ターブであり、オクターブは誤用である。

歴史[編集]

ターブは比較的最近になって誕生した単位であるが、その背景には音楽の長い歴史が存在する。

ターブの前史[編集]

有史以来、音楽は個人の感性が求められるもので、特に楽器の演奏にあたっては個人の技術が求められることもあり、音程の細かい違いは誰も気にしていなかったピタゴラスは、「大体2/3だし、それでいいんじゃね?」と、見た目はすっきりした音階を作り出したが、その際に発生する誤差については全力で見逃していた。

ピアノの発明とターブの登場[編集]

この状況が一変したのは18世紀に入り、ピアノが発明されたことによる。ピアノはそれまでの楽器と違い、どんな演奏技術を持った人間が使おうとも、少なくとも音程については同じものが出せる、あるいは時間を経ても同じ音が再現できる、ということとなり、細かな音程について考察されるようになった。

ちょうどこの頃、時代と一致するかのように颯爽と登場したピアニストが、アリエウス・ターブである。彼はごくわずかな音程の違いをも聞き分け、その違いを調律師に直させようとしても、調律師ですら違いが聞き取れなかったのでついには自らが調律をするに至ったという。音楽界でターブはその後も語り継がれることとなり、ごくわずかな音程の違いをターブの違い、と言い表すようになった。

単位となる[編集]

このターブが単位となるきっかけとなったのがMIDIの誕生である。MIDIは音程、音色など楽譜データ化した形式であるが、データ化にあたっていろいろなパラメータを指定するためのコマンドが必要となった。細かい音程の違いに忠実だったターブにちなんで、TAVEが音程の微調節コマンドとして採用された。TAVEのパラメータに与える数値は、当時最高性能を誇っていたローランドの機種で区別して出せた限界にあたる、「2の100,000,000分の1乗」が採用された。

MIDIが普及するにつれて、データの作成も広く行われるようになったが、音程を2倍にする必要が多々生じ、しかも正式にそれを実行するコマンドは複雑であったことから、TAVE 100000000としてその場を乗り切る、という裏技が広く行われるようになった。この操作は広く行われた結果、この用法は次第にMIDI関係者以外にも浸透していき、「1億ターブ上げて」と言えば音程を2倍にすることだ、ということが周知されていった。

このターブの普及に国際度量衡総会も動き、最終的には1999年に先ほどのローランドの定義を踏襲する形で、「ターブは、2の100,000,000分の1乗の音程差である」とされた。

倍数単位[編集]

ターブの1兆倍の1兆ターブは1Naoと呼ばれる。

誤用[編集]

このようにしてターブが単位となったが、一般人には1ターブはおろか1万ターブでさえ聞き分けらない[1]ばかりでなく、MP3などに圧縮した音源では10万ターブの違いさえ無視されるような状態であるため、通常1億ターブ未満の細かい差について議論されることはほとんどなかった。また音階ごとの違いについて議論するにもターブはあまりに小さすぎ、また端数のついたややこしい値となるため、通常「○度」と言う形で書かれ、ターブはあまり使われなかった。

しかしながら「1億ターブ」という表現はキリがよく、またインパクトもあったので生き残っていった。単独でターブを使わなくなった結果、いつしか「1・オクターブ」というようにオクターブが単位であるという勘違いが起こり、その表記法が根強く定着している。最近では「オクターブは8=オクタに由来する」、というような後付けの語源も登場している。

脚注[編集]

  1. ^ 現在の研究によると、アリエウス・ターブですら数百〜千ターブを聞き分けるのが限度であったという。

関連項目[編集]

Wikipedia
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