レイモンド・チャンドラー

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レイモンド・チャンドラー(Raymond Chandler, 1888年7月23日 - 1959年3月26日)は、「私は推理小説を書くとき、不朽の名作を書こうなどと力んだことは一度もない」と言った。その通りのものが後世に残った。

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――書き出しはこんなもんでよござんすか、チャンドラー先生。

まあ、小説など、所詮は小遣い稼ぎだからね。かまわんさ。しかし日本にはフィリップ・マーロウだけでなく私自身にまでイカれたファンが相当な数いるというじゃないか。あきれたものだよ。

――紹介者が良かったんですよ。特に、田中小実昌と、近年では村上春樹のが名訳だと言われています。

どちらもハードボイルドとは程遠い御面相だな、やれやれだぜ。

――いや、コミさんはあれでわりと。あとは小鷹信光とか…

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フィリップ・マーロウは冗談を言うが、スラップスティックはしない。砂糖を間違えたりなどはしない。

――なんだ、結構思い入れあるんじゃないですか。あとは内藤…

内藤陳!あいつは結局ろくに読まないまま死んだようだな。そういえば君も、本当に読んだのかね。

――ええ、いくつか。でもブンガクの香りが希薄で、あまり。ロス・マクドナルドなんかには結構あるんですが…

何だと、あんな若造のものに負けているというのか。お前は『長いお別れ』を読んだのか?

――いや、あまりに分厚くて、本棚の奥にロング・グッドバイしてます。でもロバート・アルトマンの映画は見ました。面白かったですよ。

何なんだあの映画は。どういうつもりだ。フィリップ・マーロウはなんぞ飼わない!おっぱい丸出しで踊るヒッピーどもが隣に住んでもいない。どうしてあんな馬鹿げたことを思いつくのだ。どうしてお前らは想像だけで書くんだ。

――そのほうが面白いからですよ。あなただってA・A・ミルンの『赤い館の謎』はふざけているが面白い、と認めていらっしゃるじゃありませんが。

それはそうだが、しかし、ひとが苦労して書いたものをどうして勝手に…

――苦労したんですね。

したさ!若いころは死に物狂いだった。いろいろやった末に物書きに落ち付いたんだ。今だって努力している。リアリズムに徹しつつ推理小説を書くのがいかに難しいことか分かるか?たとえ読むに足るものが書けても、読者諸君は『三毛猫ホームズの騒霊騒動(ポルターガイスト)』とか『街の医者神山治郎スペシャル・ダイエット症候群の女・やせる裏技で男を奪う鮮血のメロンパン』とかのほうがお気に入りときた!嘆かわしいことだ!

――そう自棄になるなよ。それだからハードボイルドになりきれないんだ。ハメットは違ったぜ。

俺は書き続けなければならないんだ。

――ならもっとタフに、寛容になれよ。「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きている意味がない」って、あんたが言ったんだぜ。

私はそう言ってからパイプに煙草を詰め、ゆっくりと火をつけ、そして部屋を出た。虎狩りから帰るイギリス人のように悠々と。