レシピ
出典: へっぽこ実験ウィキ『八百科事典(アンサイクロペディア)』
レシピとは、調理の手順をひととおり記したもの。調理スケジュール。
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[編集] 概要
「あの料理が急に食べたくなったが、作り方がわからない」といった経験は日常茶飯事である。しかし、だからといって一軒の飲食店を目当てに海外旅行に出かけたり、出来合の食料品を口にするのは得策ではない。「人気」「評判」といった空想上の指標によって形成される味付けは「鮮烈さ」に傾倒する宿命であり、繊細な血管をもった現代人にとってそれは、毒物でしかないからである。また、機械化による人員削減や節税といったエコロジー至上主義の台頭によって社会全体が「経費削減」という因習に侵されつづけており、食品製造の現場では「なぜか安く大量に手に入る米」などが不本意ながら歓迎されやすい。つまり各個人が健全な食物にありつくためには、必然的に「自ら調理する」という選択肢しか選べないのである。この論理則を念頭においておくと、「『作り方がわからない』という場合に備え、作り方を前もって調べておくべき」というセオリーが導かれる。こうして調理のプロセスが考案され、結集したものが「レシピ」と呼ばれるドキュメントである。
「調理など時間の無駄。自然のままを口にすればいい」というたくましい意見も聞かれる。しかし食材というものは実に多種多様であり、「羊頭狗肉」「手前味噌」といった素材が敬遠されるように、すべての者が全食品をそのまま受け入れられる訳では決してない。近年増加の一途をたどる原材料アレルギーをもつ患者を除いたとしても一般に現代人は咀嚼力が弱く、歯茎からの出血でリンゴやトマトが真っ赤に染まったり[1]、噛むのを断念した餅や青のりを歯周ポケットに収納しておくといった者は少なくない。こういった弱者に対するバリアフリーという意味でも、「鯨飲馬食」「酒池肉林」というふうに食材は食べやすい形態に加工されるべきである[2]。
このように、レシピとは摂食者の能力や調理者の社会的身分といった個々の事情に合わせて作られる性質のものであり、既存のレシピをそのまま自らが食す料理に用いることが適切であるとは限らない。故に、思い通りな料理を実現したいのならば、オリジナルのレシピを作成すべきである。以降にその方法を記述する。
[編集] レシピ作成
レシピ無き調理こそ、破産への近道である。計画を立てないで調理にあたると分かるように、思い返せばムダな動作が多いことに気づくはずである。「たくさん買っとけば困らないだろう」ショッピングはもとより、「使わなくても味は変わらないかもしれない」ショッピングは後になって体力やガソリンや時間を二重に消費することになる。時計に忙殺される現代人にとって、自由時間を不本意に費やすことは最も恐ろしい。ここはひとつ迷いを起こさぬよう作業を一本化・迅速化し、ひいては食後にいち早く枕を忙殺したい。これに対し「レシピ」という形式は調理をパターン化するため、睡眠の邪魔になる想定外の事故に構えるための余裕をつくることにもつながる。また文面について言えば、素早く読めて理解しやすいものが求められるだろう。解読している間に焼死してしまうようなレシピでは役に立たない。「蒸し返す」「焼き直す」「煮詰まる」といった難解なテクニックが用いられる料理の場合は、図を掲載するなどしておくと良いだろう。
[編集] 食材選びにおける注意点
食材はレシピとともに料理が成立する上で最も欠かせない要素であり、慎重にキッチンへ揃えられる必要がある。
いざ包丁を握ろうというその瞬間、すでに食卓へ危険が生じている場合がある。それは、スーパーマーケットでマイバッグの汚れを気にしながら物色しているときに始まっている。2007年「今年の漢字」選定の所以たる事実や、アメリカでのドッグフード・リコール多発事件に端を発する騒動は周知のとおりである。こうした食糧危機の中、消費者の不安を解消すべく専門家らが一つ一つの食料品について「本当に現代社会人の糧としてふさわしいか」を審査する運動が全国各地で行われている。その技術の例として、狭い空間に腕を入れて奥の商品を検査するという洗練された動作は有名である。消費者に安心を与えるとされたトレーサビリティシステムに関しても全幅の信頼はおいておらず、「わたしが作りました」と印字された写真を見て顔をしかめるといったシビアな評価も下すようである。我々一般消費者が食材選びをおこなう際は、あらかじめ店舗の下見を行い、その際に専門家の行動を観察して模倣することが肝要である。とくに、多くの専門家らが突然一方向に集中する時間帯を控えておくのが良い[3]。
[編集] レシピ一例
以下は、上記のような要求に応える形で作成された手順である。ここではあまり高尚でなく日本人にある程度なじんだ「カニクリームコロッケ」を例にとっておく。なお作成にあたって既存のレシピを参考に採ったが、プロセスは新たに構成しなおすことでより実用的なものに仕上がるはずである。
〜本格カニクリームコロッケのレシピ〜
「あ、本格的なカニクリームコロッケが食べたい。」
- 起き上がってベッドから出る
- (夢は特定の料理に対して急に食欲が発生する原因となりやすいため、起点として設定するのが望ましい)
- トイレに行って用を足す
- 口をすすいで※歯を磨いて洗顔
- キッチンにて、カニクリームコロッケの材料として使えるものがあるかどうかチェック
- その他、在庫が切れそうな常備品など買いたいものをチェック
- 今回購入すべきものをメモ(恥ずかしくないように小さな字で)
- カニのほぐし身60g分、マッシュルーム2個分、玉ねぎ1/4個分、ナツメグ少々分、
- 卵2個分、バター4g分、強力粉大さじ2杯分、牛乳200ml分、トマトの水煮1/4缶分、
- ローリエ1枚分、固形ブイヨン1個分、オリーブ油大さじ1杯分、キャベツ1/4個分
- ティッシュ、ハンドソープ(詰め替え用)、食後のおやつ
- (なお、塩・コショウ・サラダ油は在庫あり)
- 新聞の折込チラシをチェック
- 行き先を決定する
- 部屋に戻り、服装を選んで着替える
- (季節の変わり目など温度調節が難しい場合は、窓を開いて気温と歩行者をチェックする必要がある)
- 戸締り、ガス、火の元※を確認
- (必要最低限として)財布とメモ、マイバッグ、玄関の鍵、免許証、そして記憶力に自信が無ければレシピをもって玄関へ
- 靴ヒモが無く、動きやすい履き慣れた靴を選んで着用
- (靴ヒモがほどけてしまうロスタイムは相当なものであるため)
- ティッシュがかさばるのが予想されるため車で出発、玄関のカギをかける
スーパーマーケットを選んだ場合
- カゴへビニール袋を入れたマイバッグを設置
- (汁気によるマイバッグへの汚損防止策として)
- 各種材料を探索する
- 購入品のパッケージを見て内容量を確認
- 食品庫・冷蔵庫を有効活用するため、カニクリームコロッケ以外への用途が無く大量に余ると思われる材料をメモからカット
- (メモに残ったのは、玉ねぎ、卵、バター、牛乳、キャベツ、ティッシュ、ハンドソープ(詰め替え用)、食後のおやつ)
- 食後のおやつを選ぶ(今回は袋入りピーナッツチョコ160g)
- 専門家らが突然一方向に集中したら、そちらを覗いておく
- レジに並ぶ
- (合計金額分の金銭とポイントカードを財布から取り出す)
- 買った商品をすべて確認し、カゴからマイバッグを持ち上げて店舗から退出
- 薬局へ移動
- ティッシュとハンドソープ(詰め替え用)をもってレジに並ぶ
- (合計金額分の金銭とポイントカードを財布から取り出す)
- 商品を手で持って店舗から退出
- 往路は時間的に混雑すると思われるため、住宅街の道を使って帰宅
- 車からスーパーと薬局で買った商品を降ろし、カギをかける
- ティッシュとハンドソープ(詰め替え用)をしかるべき場所へ収納
- 軽装に着替えてキッチンへ
調理開始
※長丁場になるので、手軽に食べられるものを手元に用意
- 食品庫に玉ねぎを収納し、レトルトご飯を取り出す
- レトルトご飯を電子レンジで温める
- (温めている間に冷蔵庫にバター・牛乳・今晩のお惣菜・卵9個を収納し、卵1個を用意)
- ふっくらと立ち上がった白米に、卵1個と醤油少々を投入
- 箸を用意
- 3を食す
- (これが、ウマイ!!)
- 冷蔵庫から牛乳200mlを取り出して飲みながら、余ったピーナッツチョコをたいらげる
- (たまらない!)
- テレビを見ながら食休み(10分ほど)
- 箸とレトルトご飯の容器を洗浄、前者は収納し、後者はプラスチックごみへ
- (後片付けまでが調理です。)
レシピおわり
[編集] レシピの問題点について
より実用的に記述されたレシピは、たしかに不本意な部分を残す形になってしまうかもしれない。しかし考えてみてほしい。レシピどおりにつくったものが、毎回まったく同じ味になるとは限らないはずである。なぜなら原材料はそれぞれ品質に差をもっているからである。夏に生まれた卵と、冬の卵とでは味が違うはずだ。レシピを作成するということは、こうした「どうすることもできない差を少しでも埋めるため」という願いを込めていることに他ならない。料理とは、常にベストエフォートなのだ。
[編集] 脚注
- ↑ 咀嚼力に自身のある者ならば、最も硬質な食材「金メダル」を銀色に染めることができる。
- ↑ ただし、調理中の異物混入は頑として避けるよう衛生面の点検は第一に考える必要がある。塩分を増大させる汗はもちろん、天井からの蒸気の跳ね返り、空気中のチリやホコリ、いっときの気まぐれで供される隠し味や愛情といったものはノロウイルスを繁殖させる原因となってしまうことがある。
- ↑ なお、良い食材を見分ける方法として誤解されがちだが、「消費期限」とは加工業者向けに標示された管理番号であり、「その商品をいつまでに加工すれば材料として繰り越し可能か」といったことは消費者にとって必要の無い情報である。また「賞味期限」とは「食品の流通を抑制させつつ、個人消費も抑制させ、なおかつ期限を過ぎたものは土かどっかに還元しよう」というecoひいき政策の一環であり、一般人の到底及ばない崇高な舌によって決められた基準であるので気にしなくて良い。