代官山
代官山(だいかんやま)とは、別名「日本のロココ」あるいは「日本のヴェルサイユ」と呼ばれるおフランス文化花咲くおしゃれの街なので、登山家とは無縁の「山」である。2010年までには日仏学院、アテネ・フランセ、浅草フランス座などがこの地に移動して、文化複合施設を形成し、界隈の一角はフランスの租界になる予定。
なお代官山という地名は、いかにも古めかしい由来がありそうだが、実は由来は一切不明で、代官山の代官が何を指すのかすら分かっていない。
おらぁロココだ![編集]
この地域に直接通じるのは東急東横線の「代官山」駅である。その他に渋谷駅や恵比寿駅からも歩いていける距離にあり、交通の便はよい。しかし渋谷で女子高生、恵比寿でキャリア系OLの影響が強いのに対し、代官山で幅を利かせているのはオシャレ系OLである。特に服飾での差別化を図るために、ギャルでもコンサバOLでもないファッションが戦略的に求められていた。
1990年代にストリート系ファッションが頂点を極め、飽和状態を迎えるとこの地域の流行に空隙が生じた。そこを縫うようにやがて今までのスタイリッシュなファッションからの逸脱が始まると、オシャレが華美に、優雅に、軽薄に流れていき、2000年代にはフリルとリボンをことごとく身につけるロココ様式が代官山に復活することになったのである。いわゆるロリータ・ファッションである。
いつにないロココ様式の復活でときめいたのは、この地に足を運んでルンルンお姫様気分になる顧客ばかりではない。従来の衣装に比べ、縫製から仕立て、刺繍からレース編みまで極端に手間ヒマかかる「お姫様ファッション」は、優れた技術を持つ職人を多く必要とし、それがためにこの一帯には時ならぬロココ・ファッション街が誕生したのである。
東横線代官山駅を降りると、むせかえるような薔薇の芳香に包まれ、行けども行けども薔薇の茂みが重なり合い、薔薇の花を踏みしだかなければ奥には進めないほどである。やがてロココ街が見えてくると、そこはもう『ヴェルサイユの薔薇』に出てくるような、巻き毛とお目々パチクリの昭和の少女マンガの世界である。「ボン・ジュール」「コマタレブ」「ウイ、マドモアゼル」「セシボン」と鼻母音のフランス語が飛び交う様子は、ある種の特殊なコスプレの会場ではないかと錯覚を覚えるほどである。
実録『下妻物語』[編集]
このようなロココ尽くしの街に、殺風景な日本の現状に不満を抱く、少女たちが無関心でいられるはずがない。この夢の街を目指して、多くの首都圏の少女たちが大枚をはたいてやってくる。彼女たちはキャベツ畑が広がり、牛を引くおじさんがのんびり歩く農村の出身であることが多い。同級生はよくて死ぬまで判子を押し続ける村役場の公務員になるか、悪ければDQN上がり珍走団のメンバーになるしか選択肢がなく、遊ぶ場所はコンビニの前の駐車場かファミレスかパチ屋しかなく、ラブホテルだけはやたらに充実していると言う文化の砂漠に生まれ育った子女であり、着るものですら「ジャスコ」のものに限定されてしまっている。
こうした「格差社会」の歪みを体現したかのような彼女らが、薔薇色の夢を描いて代官山に集うことに何の不思議もない。かくして3時間以上かけ、ロココ式の服を新調すべく、代官山に毎週の如くかよいつめる彼女らは、ここに来ると水を得た魚のように、いきいきと動き回り、最新鋭のお気に入りを買い揃えるや、重い荷物を引きずって家路に急ぐのである。
ちなみにこうしたチバラギの抱える悲哀と苦悩に満ちた生活の中で、希望を失わずに誇りを持って生きていく少女・竜ヶ崎桃子を取材し、『下妻物語』としてまとめたのが、ノンフィクション作家・嶽本野ばら氏である。
薔薇の刺繍に根性焼き[編集]
このようにことごとく街全体から少女趣味の匂いが漂う代官山界隈であるが、逆に言うとそうでない者に対する蔑視は著しい。オタクやNEETが、この街に足を踏み入れないことは容易に想像がつくが、「女珍(にょちん)」と呼ばれる女性の珍走団団員すなわちレディースのメンバーが来ようものなら、かつての「大奥」のようなノリで徹底的ないじめが行われる。基本的にロココ的ないじめとは「組抜かし」や「無視」であるが、そこはそれ女性である。場合によっては靴に画鋲、ジュースに下剤といった典型的ないじめが行われる。かつてポリニャック伯爵夫人が「くやしかったら、ヴェルサイユにいらっしゃい」と啖呵を切って、相手を叩きのめしたことがあったが、ロココ少女ならばさしずめ「くやしかったら、代官山へいらっしゃい」とでも言うところであろうか。
しかしレディースの彼女らも「少女趣味」には複雑な思いを持っている。「可愛くなりたいけれど、もう引き返せない」というスネに傷持つ身ならではの、苦しい胸中を察することができるだろうか。また代官山に足を踏み入れたことで、レディースを抜け第二の人生に目覚めた者も実は少なくはないらしい。レディースの団旗に刺繍を入れていた少女が、今や代官山ロココの有名デザイナーになることも不可能ではない。精神の逞しさと美しさを持つ者のみがこのオシャレの町で生き残るのである。いじめの洗礼を受けながらロココに嵌った元レディースが、もしかしたらあなたのボンネットに薔薇の刺繍を入れているかもしれない。そしてその手には根性焼きの傷が今も残っているかもしれない。
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