元祖西遊記スーパーモンキー大冒険

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概要[編集]

元祖西遊記スーパーモンキー大冒険』は、バップが1986年11月21日に発売したファミコンソフトのクソゲーである。このゲームはいわゆる西遊記をテーマとして主人公の孫悟空と三蔵法師が天竺に向けて長い旅をする内容であるが、以下の問題からクソゲー…それも超ド級クソゲーの一つに分類されている。以下にその問題点を示す。

広告[編集]

  • 中国四千年の歴史が誇る中国四大奇書にあたる西遊記を題材にしたのに元祖というオーバーな表現
  • 「歴史的ソフト…ってなワケだ」「パノラミックな大冒険だゾ」「出たあァー、ソ、ソンゴクー!」などゲーム内容がよく分からないキャッチフレーズ
  • ロールプレイングゲームである

フィールド[編集]

  • なか゛いたひ゛か゛はし゛まるという文字だけのオープニング。プレイヤーはすぐにこの言葉の本当の意味を知ることになる。
  • 主人公の孫悟空三蔵法師の二人はいきなり台湾に放り出される。なお西遊記の三蔵法師および史実の玄奘三蔵のスタート地点は長安である。
  • そして肝心の内容はユーラシア大陸そのものともいえる約700画面という滅茶苦茶広いフィールドを歩き回るだけというもの。
  • 勿論フィールドマップなんてない。全てその場の判断任せ。
  • 歩く速度は一マス歩くのに32フレームと滅茶苦茶遅い。この速度は歩くのが遅いことで有名なRPG星をみるひと以下である。
  • フィールド画面は本当に歩くだけ。AボタンもBボタンも使わない。
  • フィールド移動中は食料を消費する。物資が切れると物資に対応したメンバーの体力が減っていき、ゼロになると死ぬ。
  • 食料と水は民家から恵んでもらうしかない。なお民家だと思ったらお化け屋敷だったというトラップあり。
  • 孫悟空一行はワープゾーンを使用する事で、遠隔地に一瞬で移動する事が出来る。ただしワープゾーンの殆どは見えない。プレイヤーからは行き止まりにしか見えない。
  • 便利なアイテム? イベントアイテムの芭蕉扇だけだ。装備品なんて概念は無い。
  • 呪文? そんなものは無い。
  • お店? 買い物? 無い。お金すら存在しない。
  • 経験値? レベルアップ? あるわけ無いだろ!

戦闘[編集]

主役の孫悟空。彼が死んでも続行できるが、事実上全滅である
  • エンカウントバトルは悟空を操作して戦う。もちろんこの手のゲームの常として操作に難がある。
  • 画面構成が非常にわかりづらい。あのウィキペディアにすら「攻撃している相手が味方なのか敵なのか全く分からない状態で戦わなくてはいけない。また、無造作に敵にも味方にも攻撃するような仕様になっている。」と明記されているほど。具体的に言うとワッカをむりやり画面に収めたような形になっており、右に向かって走っていった敵が画面端まで行くと左から湧いて出る。
  • 戦闘は特定のエリアに入った場合に開始される。そのため道に迷ってウロウロすると何回も戦闘する羽目になる。
  • 雑魚敵を倒すと仲間が乱入して助けてくれる。が、何の役にも立たない上に下手をすると勝手に死ぬ。
  • 非武装の三蔵法師さまも戦闘に乱入する。もちろんクソの役にも立たない。

ストーリー[編集]

  • ゲーム中にはほとんどヒントやストーリー解説と言って良いものが無い。そのため、町に着いた瞬間三蔵一行が帝国兵に襲われるなんてこともザラ。しかも唐(中国)の領土内ですら。
  • 途中で魔物に襲われている猪八戒と沙悟浄が仲間になるが、別に仲間にならなくてもゲーム進行には何の問題もない
  • 敵や民家のお姉さんに話しかけても返事は「ここは とおさん」「てんじくは かえんざんの むこう」などマジで一言だけ。幼稚園児か。
  • 中ボスとして牛魔王のである羅刹女が、ボスとして銀角・金角・混世大王が登場する。
  • なおラスボスの混世大王は名前こそかっこいいが、西遊記第二回に登場し、三蔵法師と出会う以前(まだ如意棒すら持ってなかった頃)において悟空の留守中に猿山を占拠するという残念な役回りの雑魚である。
  • つまり北斗の拳でいうとジード様が、ウルトラマンだとベムラーが、エヴァンゲリオンで言うと第参使徒サキエルがラスボスという展開である。
  • なぜか牛魔王と紅孩児が「ちょっと強い雑魚」としてたくさん登場する。
  • ここまでの苦難を乗り越え天竺にたどり着いたプレイヤーを迎えるエンディングは約80文字相当のテキストのみ。しかも史実どころか西遊記の本編すら無視した文章。

その他[編集]

  • パラメータがバグりまくって見ることすらままならない。
  • ゲームオーバー時に表示される「ああ しんし゛ゃった」という腹立たしい文字列。
  • 仲間が死んだ場合、復活させるには不死鳥鳳凰に出会わなければならない。大抵はゲーム本筋で通るルートとまったく関係の無い場所に居るため、大変めんどくさい。
  • セーブ機能なんか無い。パスワードは「AB AB」のように表示されるが、入力方法は指示してくれない。
  • ファミコンゲームのくせに、敵とエンカウントしてはロード、家の中に入ってはロード、アイテムを拾ってはロード…とことあるごとにロードしまくり。
  • なおパスワードは場所しか再現しない。よってパスワードを入れて復活すると食料・水・体力が全回復し、仲間も蘇生し、仲間が加入していない場合は加入する。不死鳥や仲間加入エンカウントの存在意義を完全に破壊している。
  • このゲームの発売は1986年11月21日。ドラゴンクエスト2の2ヶ月前(1987年1月26日)でこのクオリティである。
  • 2002年になってようやく発見された、ゲームデザイナーなかじまかおる氏がROM内に仕込んだとんでもなく卑猥な隠しメッセージ。中年になった現在の「なかじまかおる」氏は、果たしてなめることができたのだろうか、各界からも注目を集めている。(よいこのハックロムさんのサイト

結論[編集]

Wikipedia
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にーこにっこどーが♪
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このゲームに対しての評価は以下の通りである

  • 究極のクソゲー(ゲームセンターCX)
  • 西遊記の醍醐味を極力排除した怪作(CONTINUE)
  • 伝説的クソゲーとして語り継がれている(はてなキーワード
  • ファミコン史上最悪のクソゲーと呼ばれるほど酷い代物・問題点がありすぎる(ニコニコ大百科
  • 本当に長く、退屈な苦行・時間の無駄(アニヲタwiki
  • 余りに問題点が多く、完成品とはとても思えないレベルのスッカスカな内容(ピクシブ百科事典
  • どうしようもなくスカスカな代物・「楽しくなさ・つまらなさ・腹立たしさ」はそんじょそこらの作業ゲーを軽く凌駕する(ゲームカタログ
  • 「作業ゲー」の代名詞(クソゲーオブザイヤーwiki
  • 全てにおいて意味不明(FCのゲーム制覇しましょ
  • つまらなさを極めた最悪のクソゲー(RENOTE
  • "The Worst Japanese RPG ever made"(GAMEFAQS)

また、Amazonでは評価が「☆1つ」7個、ネタ扱いで付けられた満点が1個であり、この事からこのゲームはデスクリムゾンたけしの挑戦状四八(仮)に勝らずとも劣らないクソゲー世界の帝王であると万人が認めたものと思われる。賢明な読者の諸君はこのようなゲームで遊ぶべきではない。

関連動画[編集]

関連事項[編集]



本当にそうだろうか?

万人が認める事はすべて「真実」なのだろうか?

重大な何かを見落としているのではないだろうか?

貴重なメッセージを誤訳していないだろうか?

今だからこそ、我々はこのゲームを再検証をすべきである。


そう…


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なか゛い たひ゛か゛ ふたたひ゛ はし゛まる‥

再検証[編集]

ワクワクするようなキャッチコピーは魅力の一つである
もちろん砂漠もある。孫悟空達の旅した広大なアジアそのものを感じさせる世界
時には三蔵一行はチベットと思われる高山も越えていく。
もちろん西遊記最大の山場である火焔山も再現。アイテム「芭蕉扇」が無ければあっという間に御陀仏という原作通りの展開になる。
旅の目的地でありインド仏教の聖地でもある天竺のナーランダ大学[1]。ここまで来れば感動のエンディング[2]である

企業姿勢[編集]

「元祖」「歴史的ソフト」「パノラミックな大冒険」という言葉は確かに大げさかもしれない。しかしこれは大言壮語というよりもむしろ新規参入企業の意気込みと見るべきであろう。またゲームにおけるキャッチコピーとは単に売り上げを伸ばすのみならず、プレイヤーにゲームを購入することへの夢を与える意味があるのだ。例えば任天堂の初代Motherにおける「エンディングまで泣くんじゃない」というキャッチコピーは、決してRPGであるこのゲームの内容を端的に表しているわけではないが、プレイヤーがストーリーの理解を進めるにあたって、より感動を増やすためのギミックという効果が有った。ゲーム業界において、単純に正確な表示のみが顧客の利益になるわけでは決して無い。キャッチコピーは作品の一部であり、そしてこのゲームは後述するように、パノラミックで歴史的である。

企業姿勢として見るべき点としてテレカのプレゼントや全国大会の実施、全国大会の商品であるアイドルのディナーショウ招待券・歌のベストテンなどの人気番組収録への参加など数々のイベントを実施していた。これらの顧客サービスは現代のゲーム業界でもなかなか見られるものではなく、テレビ局である日本テレビ傘下の芸能プロダクションとしての企業の強みを生かしたイベントであった。全国大会は「天竺親子ファミコンゲーム駅伝大会」と銘打っており、ゲームなどで希薄化する親子の絆を逆に重視するという稀有な姿勢であった。またゲームの内容に比べ、音楽は「長く聞いても飽きない。アジア的なメロディ。壮大で中国~インド間の旅を実感できる。サビが秀逸」など非常に評価が高く、これらは音楽プロダクション会社ならではの成果である。全体として企業の強みを活かした企業姿勢と言えよう。

システム面[編集]

このゲームはかなり先進的で意欲的な作りをしており、次世代以降のゲームで取り入れられたシステムを多数搭載している。

  • 斜め移動可能(任天堂ですら『Mother』まで取り入れられず、『謎の村雨城』や『ゼルダの伝説』では未実装である)
  • 食料・による行動制限(日本のゲームではいまだにあまり実装されていない)
  • (食料・水がある場合)自動で孫悟空らのHPが回復(PSソフト『テイルズオブデスティニー』などが代表的である)
  • 昼夜の時間および昼夜を利用したイベント(ドラゴンクエストシリーズではかなり後に発売された『3』にて初めて実装)
  • 戦闘にアクションを取り入れる手法(SFCのテイルズシリーズにかなり先駆けて実装されている)
  • ひとつのメロディをアレンジして様々な場面で使用するテーマ(スクウェアでは二世代先のPSソフト『サガ フロンティア2』などで実装)

この時代に、これら先進の技術を512kbのROMカセットに詰め込んだというだけで、このゲームは存在する意義があると思われる。

戦闘では西遊記における孫悟空の能力を余すことなく描かれている。如意金箍棒(如意棒)・觔斗雲・変化の術(龍)・分身の術という一般的に孫悟空が用いたとイメージされる術などはゲーム中において完全に再現されており、プレイヤーはこれらの術を自在に使って危機を切り開く事になる。これは「いい加減な原作再現でもそこそこ売れた」この時代の多くの原作付きファミコンソフト[3]ではまず出来なかったことであった。

便利な魔法・アイテムなどが存在していないのも西遊記の世界観を優先したためである。回復アイテムをがぶ飲みしながら天竺に向かう三蔵法師一行など雰囲気ぶち壊しであろう。世界観以外にも、システムを簡略化する事で複雑な操作を無くし、プレイアビリティを高めているという意味もあると思われる。例えば食料と水及びオートでの体力回復システムは回復に費やすプレイヤーのストレスを大幅に減少させる事に成功している。また水と食料を民家に頼るのは決して「ヒャッハー!水と食料だぁー!」という訳では無い。仏教においてBUDDHISM MONKが仏教信徒達(DANKA)から食料などを受け取るTAKUHATUと呼ばれる先進的な寄付調達制度[4]の再現であり、僧侶である三蔵と同行している孫悟空ら妖怪達[5]の物資調達にふさわしいシステムと言えよう。事実、「実際の」三蔵法師=陳玄奘はかなりの大食いとして名が知れ渡っており、『西遊記』内でも頻繁に托鉢を行うシーンがある。

ワープゾーンが見えないのもプレイヤーの想像力を活用して楽しんでもらうための工夫である。例えば「の桟道のような隠された間道を利用した」「船を都合した」「現地の仙人の力を借りて仙術で送ってもらった」など様々な想像が可能である。確かにゲームを楽しませるのはストーリー上の内容である。しかしゲームにしろ小説にしろ漫画にしろ、本当の悦楽を得るには受けて側の想像力が必要である。いわゆる行間を読むという行動こそ物語を楽しむ基本であろう。詳細な記述は、時に作品を楽しむ妨げとなることも多く、この見えないワープゾーンはプレイアビリティを犠牲にしてでも行うべき「敢えてのオミット」であると考えて間違いない。

歩くスピードが遅いという指摘は的を得ていない。なぜならこのゲームはスペースコロニーという狭い空間[6]を舞台にした『星をみるひと』とは異なり、中国からタクマラカン砂漠を超えインドまでという広大な面積[7]の地域を通って莫大な距離[8]の長い旅をするゲームである。例え700画面分の広さが有ったとしても三蔵法師一行の旅した地域を描くには狭すぎるとしか言いようが無い。しかしこれ以上フィールドを広げた場合はROMカセットの容量を軽くオーバーしてしまう事が容易に想像できる。苦肉の策として主人公一行の歩く速度を敢えて遅くする事で相対的に大陸の広さをプレイヤーに感じさせるという、心憎いギミックのひとつである。現代のように大容量記憶媒体を豊富に使えなかったファミコン黎明期のゲームにおいて、初代ドラゴンクエストの台詞やモンスター名におけるカタカナ文字使用の制限など、このような容量を逆手に取った工夫は堅実なゲーム作りには必須の作業であった。なおヒントは無い事もよく槍玉に挙げられるが、この時代のゲームは基本的に地図をマッピングして総当りで試すことは当時のファミコンキッズ達がゲームをプレイする上で必須のスキル[9]である。そのようなゆとり的思考ググれば安易に攻略サイトを閲覧できる現代っ子の軟弱な思想といえよう。

「ドラゴンクエスト2の2ヶ月前でこのクオリティ」というのは当時のゲーム業界を考えた場合、有効な指摘とはなり得ない。このゲームの発売時期のファミリーコンピュータはアクションゲームやシューティングゲームに特化したタイトルが多く、アドベンチャーゲームやRPGといったストーリーを楽しむゲームはほとんど開発されていなかった。ファミリーコンピュータの仕様を最も理解している任天堂ですらファミコンROMカセットでのこれらのジャンルの発売は1987年のRPG『銀河の三人』まで待たねばならない。同時期のアドベンチャーゲームでは『ミシシッピー殺人事件』(ジャレコ)や『シャーロック・ホームズ伯爵令嬢誘拐事件』(トーワチキ)などやはり一癖も二癖もあり現代でクソゲー扱いされているゲームが一般的であった。元祖西遊記以前で万人に認められるようなRPGは『ドラゴンクエスト』、アドベンチャーゲームでは『ポートピア連続殺人事件』のみという有様である。

さらに『ドラゴンクエスト2』との比較の問題点は当時のエニックスおよびチュンソフトを比較に出すのは当時のこれらの企業のRPG・ADV開発における先進性を無視しているといってよい。初代のドラゴンクエストは『ウルティマ』・『ウィザードリィ』など海外で完成されたコンピュータRPGの楽しさを詰め込みながらもRPG初心者への親切なサポートと要領削減という難題を解決し、世間にドラクエ型RPGという言葉を生み出し、各ゲームメーカー社長に「うちもドラクエみたいなゲームを作るんだ!」と言わしめた作品である。さらに『ドラゴンクエスト2』は船・多彩な呪文・装備・パーティーなどの海外RPGが既に開発していた要素を搭載させたという意欲的な作品である。いうなればエニックスとチュンソフトが業界の最先端技術を持つ企業と言える。バップの作品とエニックスの作品を比較して発言することは適当な比較とは決していえない。いうなればバックヤード中心の新興自動車ビルダーに「君の会社の作るTOYOTAより完成度が低い」と言う様な、無粋極まりないものである。

パスワードについても一考すべきであろう。『ドラゴンクエスト2』における最大52文字のパスワード「ふっかつのじゅもん」は多くの情報を伝えることが可能であるが、その一方で長すぎたため「ふっかつのじゅもんがちがいます」という数々の悲劇を生み出してきたと言っても過言ではない。また当時のテレビの解像度では「ちとさを間違える」「濁点・半濁点を見逃すor間違う」ということは日常茶飯事であった。これらの不幸な間違いを無くしプレイアビリティを上昇させるために出来る限り短く、伝える情報を少なくした元祖西遊記のパスワードはゲームデザインの最適化の範疇である。

またパスワードの入力についても一考されたい。たとえば小説の中で「主人公達が悲劇的な展開に遭った後に、何の説明も無くセーブポイントまで戻ってやり直し」という展開があったらどう思うだろうか?たとえばゲームブックで「あなたは死にました」を見たら即効でしおりを挟んだ選択肢のあるページに戻ったとしたらどうだろうか?それは物語の楽しさを大幅に減らしてしまうだろう。セーブ&リセットというシステムはそれだけで物語の根幹を崩しかねない強烈な御都合主義の塊なのである。本来、物語の読者としては誤った選択によって導かれた「ああ しんし゛ゃった」を受け入れるべきなのだ。だが、だからといってゲームスタートに戻されるのでは大変面倒であるし、一日でクリアするにはボリュームが大きすぎる。これではせっかく確保したゲームのプレイアビリティを減らしてしまうため、矛盾に対して出来る限り折り合いをつけて最適化した結果が「裏技に近い扱いのパスワード」なのである。なお当時のアクションゲームやシューティングゲームといったジャンルでは「裏技でコンティニュー」という仕様は非常に一般的であった[10]ことを記載しておく。

西遊記・歴史上の玄奘三蔵の再現[編集]

唐王朝の追っ手は恐ろしかった。

このゲームは台湾から始まるが、これは西遊記的に正しいと言わざるを得ない。なぜならば西遊記における孫悟空の出身地の花果山は東勝神州という地域に有ると言われており、中国大陸は南瞻部州という地域に属している。中国から東に当たる島は日本列島・沖縄フィリピン、そして台湾である。孫悟空は乱暴者ではあるが、礼法に通じている=儒教の影響のある地域であり、中国から大きく離れた地域とは考えられず、台湾は孫悟空の出身地の一つと考えられる。孫悟空ゆかりの地をスタート地点とする事は極めて自然な成り行きであると言える。また史実における玄奘三蔵は国内情勢の不安定[11]を理由に唐王朝から西域への出国を禁止されており、監視の目を掻い潜って出国している。ゲーム中でも追っ手を撒くために一旦台湾まで移動するという事は有り得ない事では決して無い。ここまで書けば、長安の都に付いた瞬間に三蔵法師一行が弓矢を持った兵隊に襲われることも十分意味のある演出であるということがお分かりだろう。

猪八戒や沙悟浄が役立たずなのも原作準拠である。原作での猪八戒はトラブルを起こしては孫悟空らに助けられるというものであり、ほぼ役立たずである。だが、その人間臭さが逆に人の心を掴んだのであり、本場中国における民衆からの人気は非常に高い(この辺りは三国志における張飛に近いものがある)。また沙悟浄は元々天界の役人だったところをヘマをして妖怪にまで落ちぶれてしまうというウッカリ者の河童であり、また役立たずの猪八戒とほぼ互角という表現がある事からやはり役立たずである。だからこそ孫悟空の強さが際立つのであり、西遊記の読者達にカタルシス[12]を与えるのである。彼らを仲間にしても何の役にも立たないのは原作に対するリスペクトと言えよう。日本の西遊記関連の創作は脇役が活躍し過ぎなのである。

同様に三蔵法師がノコノコ戦闘に出てきて邪魔をするのも原作に忠実な点である。これも日本の西遊記では三蔵法師が完璧超人に描かれるが、原作では「余計なことをして妖怪に誘拐される」「しょうもない事で孫悟空を勘当して、その間にピンチになる」という描写が大変多く、ゲームにおける三蔵法師の描写は極めて中国語の原作を読み込んだ結果と考えられる。

混世魔王が再登場するのはファンサービスである。原作における混世魔王の最期は孫悟空にを奪われ、切り裂かれるという末路が描かれている。だが少し考えてほしい。妖怪が刀で切り裂かれたぐらいで死ぬだろうか?一命を取り留めた混世魔王は修行により更なる力をつけ、かつて自分を破滅に追いやった孫悟空の前に再び立ちはだかるというのは極めて自然な流れであり、燃える展開であるといえる。その証拠にかつて混世魔王との戦いで孫悟空が使った分身の術を、ゲーム内で混世魔王との戦いに限って使用していない。これは混世魔王が修行によって得た、なんらかの功夫(クンフー)的な何かを使い、孫悟空の特技を封じたと考えるのが自然であろう。

さらに原作における孫悟空のかつての同志であり作中最大のライバルである牛魔王が雑魚なのは、逆に牛魔王の強大さをあらわすためのはずし技である。というのもこのゲームはゲームバランス上、ボス戦は非常に簡単であるが、竜王や兵士や牛魔王は何度も出現するのに下手なボスよりも強い事が多い。あえてボス敵とせず、雑魚敵として何度も出現して孫悟空達を苦しめる姿こそ、牛魔王にふさわしいものであろう。

なかじまかおる氏のメッセージ[編集]

平安時代の仏画。

この項目は内容上どうしても18歳未満に問題のある表現をしなければならないため、18歳以上の読者の皆様は反転して閲覧していただきたい。

まずなかじまかおる氏がROMカセット内に仕込んだメッセージの全文を確認願いたい。

「デザイナーなかじま かおる。 1960愛知県 豊川市生まれ 26才。おまんこ なめてぇーよぅ。 エッチする女の子がほしい。 チツちゃん、クリちゃん、スキ!スキ!」

一見ただの変態的なメッセージだが、注目すべきは膣とクリトリスを並列して同位に置いている事である。一般的な男性の価値観からすると膣とおっぱい辺りが重要視されるであろうところを敢えてのクリトリスである。これはどういうことだろうか?ウィキペディアによればクリトリスとは「(女性の)性的興奮を高めるためにのみ特化した器官である」[13]という点である。また彼は「おまんこ なめてぇーよぅ」と言われているが、一般的に男性から女性へのオーラルセックスを好むかは個人によってかなり異なり、全般的には他の前戯より好む割合が少ないといわれている[要出典]。以上の点からなかじまかおる氏は「セックスにおいて、快楽の面で、男性と女性は平等で有るべき」という考え方を持っている事がわかる。ごく当たり前[14]のようだが、これは性意識の後進国である日本ではかなり進歩的な考え方だといえよう。ましてやバブル期真っ只中の1986年では現代よりも遥かに性に対する意識が未発達であったと考えてよいだろう。また特段性交渉経験の多くない日本人男性にとって26歳という年齢は性意識が徐々に上昇・進化する年齢である事は見逃せない。

ではこれが西遊記と何か関係があるのだろうか?もちろん有るのである。三蔵法師が何のためにインドまで行ったのか思い出してほしい。彼は仏教の経典を取りに行った仏教僧である。仏教では女性の扱いが長年かなりいい加減であった[15]が、仏教に男女和合の考え方が無かったわけではない。例えば右図の歓喜天などは「仏教における男女間のセックスを肯定した一例」である。また仏教のベースとなったインドのヒンドゥー教でもこのような考え方は珍しくない[16]

また日本における仏教での女性の肯定で一番著名なのは浄土真宗の開祖である親鸞である。親鸞は29歳の時に京都にある聖徳太子ゆかりの六角堂に百日参籠を行い、救世菩薩の化身として現れた聖徳太子から「女犯偈」(女性と交わることの肯定)を夢告される[17]。その後の親鸞は女人正機など仏教における女性の地位向上・平等な思想を広げていった。この時に現れた救世菩薩とは観音菩薩の事であり、かつては観世音菩薩と呼ばれていた。それをある僧侶が「観自在菩薩」と訳語を直したのである。ある僧侶とは誰か?

そう、西遊記の三蔵法師のモデルとなった玄奘三蔵その人である。

この繋がりはゲームの全体を監修したデザイナーのなかじま氏だからこそ見つけられたものであろう。なかじまかおる氏が言いたかった事は二つに集約される。それは「性を含めた男女の同権」、そして「仏教で繋がる西遊記の中国・インドと日本」の二点である。ROMカセットにメッセージを隠していたのは、当時遊んでいたちびっ子達では理解できないであろうが、いつか彼らが大人になり、解析する事でメッセージを見つけ、込められた思いを解する人を待ち続けていたのだ。

終わりに[編集]

いかがであっただろうか?一元的に他社の批判をあるがままに受け入れクソゲーと蔑んでいたゲームに深い世界観に対する理解と先進的なシステム、そして伝えたいメッセージが込められた歴史的ソフトである事が理解できたことであろう。だが我々が見落としているものはこのゲームだけに限らない。我々は「これはつまらない」「これは意味がない」とあまりにも多くの、本当は輝くモノ達を切り捨てていないだろうか?それらを拾い上げ、本当の価値を再発見する事こそが人生という名の長い旅における我々の目的なのである。


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なか゛い たひ゛は また゛また゛ つつ゛く‥

引用[編集]

  1. ^ ゲームにおける天竺の位置はほぼ玄奘三蔵が目的地としたナーランダ大学と同じである
  2. ^ むろんここまで長旅をプレイしたプレイヤーの脳裏には雄大なインド亜大陸の大地と荘厳なナーランダ大学の姿がしっかりと映っているだろう。画像など無粋である。
  3. ^ 一例を挙げると原作は高校野球漫画なのに内容は「役立たずのヒロイン朝倉南を連れて、異世界で達也と克也が硬式野球ボールを化け物に投げつけながら旅をする」という原作に全くタッチできていない『CITY ADVENTURE タッチ MYSTERY OF TRIANGLE』、不良が野球に挑む漫画が原作なのに、なぜか横スクロールのアクションゲームになっている『バツ&テリー 魔境の鉄人レース』など。
  4. ^ 現在でも京都タイチベットなどでは良く見られる制度である。
  5. ^ 原作では孫悟空は来世において闘戦勝仏という仏に成る事を釈迦に約束してもらっている。
  6. ^ スペースコロニーの面積は一概には言えないが、一般的な島三号型で約300平方Km。だいたい名古屋市と同じくらいである。
  7. ^ 中国の面積だけで9,707,000 km²。
  8. ^ 片道10,000~15,000km。
  9. ^ 攻略本まで買ってもらえるのは基本的に金持ちのボンボンだけである。
  10. ^ 例えば『スーパーマリオブラザーズ』の場合、Aボタンを押しながらスタートする事でコンテニュー出来る。
  11. ^ 626年に皇太子を殺害するクーデターである玄武門の変が勃発するなど、玄奘が旅に出発した頃(629年)の初唐は極めて政情不安定であった。
  12. ^ 中国の文学は基本的に「曹操軍百万が攻めてきたぞ!」「いかん!これは孔明の罠だ!」のようなカタルシスを重視する。
  13. ^ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%B9
  14. ^ 実際、フランスなどの性意識に関する先進国では当たり前!とフランス人が言ってた。
  15. ^ 何せ教祖様が女房をほっぽり出して出家するぐらいである。
  16. ^ 30歳を超えれば君も立派な変態という名の紳士だ!
  17. ^ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%AA%E9%B8%9E
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ユーモア欠落症患者のために、ウィキペディア専門家気取りたちが「元祖西遊記スーパーモンキー大冒険」の項目を執筆しています。
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本項は第29回執筆コンテストに出品されました。