出典: へっぽこ実験ウィキ『八百科事典(アンサイクロペディア)』
小学校のとき、先生に知能に障害がある子のうちに遊びに行かされた。
彼は脇目もふらずにウィキペディアをやっていて、正直、
「こいつでもウィキペディアとかわかるんだなあ」と思った。
30分ほど彼の編集を見ていて、とても悲しい事に気が付いた。
彼がウィキペディアでやっているのは、
既存の記事に関係するアニメと鉄道の話題を付け足す、ただそれだけだった。
アニメと鉄道の話題の追加だけが並んだ彼の編集記録は5000回を越えていた。
彼は延々、アニメと鉄道の話題を追加し続けた。
とても楽しそうだった。
文脈の流れを自然にしてやろうと思い彼の文章を整形したら、凄い剣幕でリバートされた。
なんでリバートされたか分からなかったけれど、とにかくリバートされた。
それを見て彼の母親が「ごめんなさいね、○○ちゃんはウィキペディア大好きのよ」と僕に謝った。
彼のブックマークにウィキペディア以外のサイトは入っていなかった。
僕はそれ以来、ウィキペディアをやらなくなった。
以前のように編集にのめり込めなくなってしまったのだ。
キーボードに向かうとやるせなくなった。
友達の家に行ってもみんながやるのを見ているだけだった。
その間、僕はウィキペディアに興じる友達の背中だけを見るように努めた。
本当にむなしかった。
その内に、僕はウィキペディアを憎むようにさえなった。
今までの人生の中で、あんなに何かを憎んだことはない。
それは真夜中に僕を目覚めさせた。
ウィキペディアなんかこの世からなくなってくれと本当に願った。
僕は自分の作成した記事を全部白紙化して、アカウントは抹消してしまおうと思ったが、
キャバルに怒られそれすらできなかった。
時々、彼と、永遠にスタブを脱け出せなかったであろう
彼の関わった記事たちの事を思い出すと、とても悲しくなる。