号笛 (甲)

出典: へっぽこ実験ウィキ『八百科事典(アンサイクロペディア)』
移動先: 案内検索
Wikipedia
ウィキペディアンがとても偏っている証拠に、「サイドパイプ」の項目はまだありません。アンサイクロペディアンとの格の違いを見せつけてやりましょう。

号笛 (甲)(ごうてき - こう、Whistle type A)とは、海上自衛隊における「ピンポンパンポーン♪」である。

概要[編集]

主に艦艇部隊において用いられる笛で、一般にサイドパイプ(Sidepipe)と呼ばれている。マイクを通して艦内に号令をかける時、その冒頭に吹奏することで艦内総員の注意を集める効果と、号令の種類を知らせる効果が期待されている。筈なのであるが、その吹奏にはちょっとコツが必要であるため、舌使いや息遣いのセンスによっては使いこなせないまま退官してしまうする者も少なくない。また、所属する分隊[1]によっては使わない事もあるため、海上自衛官人生を通して一度もサイドパイプを触ることのない者も、やはり少なくないのであった。

構造[編集]

細い方を咥え、丸い部分を指で保持する。

そのツルリとした印象的な外観はどうでもいいとして、その最大の特徴は「ホイッスルタイプの笛なのに、中の玉がない」事である。普通のホイッスルであれば、息を吹き込むと中でコルクの玉震動する事で、誰でもあの独特の音が出せるのであるが、このサイドパイプの場合は中の玉の代わりに自分の舌を震動させたり、息の吹き込みやサイドパイプを保持する手[2]の開き具合で空気の流れを調節して音を変える技術(および習得の努力)によって、その構造的な欠陥を克服しなければならないのである。

原音[編集]

そんなサイドパイプには8つの原音(げんおん、Basetone)があり、これらを習得できると海上自衛官としてのステイタスが得られるとされている。が、実際によく使うのは8つ中5つであり、それらの違いもまた微妙であるため、どうにか誤魔化せてしまうものである。

ホー(開音、かいおん)
そのまま強く息を吹き込めば出る音。これが出せない人を今まで見たことがない。
ヒー(閉音、へいおん
開音を吹きながら軽く指先を閉じるだけ。簡単そうであるが、しっかり閉じないと変な音が出て苦笑を誘う。
ホ~(開揺音、かいようおん)
息を短く断続的に吹き込むことで出す開音。「ア、ァァァァァァ……」と発音する要領なのであるが、説明が難しい。
ヒ~(閉揺音、へいようおん)
開揺音と同じ息遣いで、指先は閉音と同様に閉じる。
ロ~(開震音、かいしんおん)
舌先を震わせながら息を吹き込む。「ドゥルルルルル……」と喉を振るわせる要領なのであるが、サイドパイプを咥えながらこれを行なうのはちょっと難しい。
リ~(閉震音、へいしんおん)
息遣いは開震音と同様にしながら、指先は閉音と同様に閉じる。
トト……(開切音、かいせつおん)
舌先でサイドパイプの吹き込み口を断続的に塞ぎながら空気を刻む要領、と教わったものであるが、さっぱり意味不明である。
チチ……(閉切音、へいせつおん)
舌使いは開切音と同様、指先は閉音と同様に閉じる。やっぱり上手く出来ないし、使う機会もなかった。

以上8種類の原音を観察すると「開」がつく音は指先を開き、「閉」がつく音は指先を閉じるという法則を理解できる。また「揺」がつけば息を断続的に吹き込み、「震」がつけば舌先を震わせ、「切」がつけば舌先で吹き込み口を断続的に塞ぐ……ことがわかるのであるが、「(知識として)分かる」ことと「解る(実際に出来る)」ことは違うのである。

号令[編集]

さて、そうした技術を習得するしない、あるいは出来る出来ないに関わらず、サイドパイプを吹奏しなくてはならない場面にしばしば直面するのが海上自衛官というものである。ちなみに、斜字体はマイクを通して発する号令である。

ホヒーホー(雑令)
いわゆる「一般的な号令」を意味する吹奏で、一番多く用いられる……と思う。
用例)「(ホヒーホー)課業始め」 「(ホヒーホー)ぎょーっ![3]
ヒー(短符)
主に「5分前」「呼び出し」「ゴミ関係」で用いられている。
用例)「(ヒー)総員起こし、5分前」 「(ヒー)ゴミ収集車が来た。艦内のゴミを陸上。可燃物
ホヒ~、ホヒーホー(総員)
要するに「全員注目!」であり、号令の対象が艦内の総員であることを意味する。
用例)「(ホヒ~、ホヒーホー)総員起こし」 「(ホヒ~、ホヒーホー)そーいーん、しゅーごうっ![4]
ホリ~ロ~リ(別れ)
総員で行なっていた作業を終了、解散させる号令に用いる。
用例)「(ホリ~ロ~リ)貯糧品搭載[5]終わり、別れ
ホー……ヒー……ホー……(舷門送迎)
隊司令以上(要するにエロいエライ人)の乗退艦時に吹奏する。なかなか息が続かなくて大変である。ちなみに号令はなく、吹奏者以外は挙手の敬礼あるいは「気をつけ」の姿勢で厄介者が過ぎ去るのを待つばかりである。

情緒[編集]

そんなサイドパイプも、遠くで聞いていると何だか間の抜けた海鳥が啼いているようで、そこはかとなく港町の風情を感じられる。

脚注[編集]

  1. ^ 1分隊(砲雷科)と2分隊(船務科)は全員使う。3分隊(機関科)と4分隊(経補科)は小さな船でなければ使わない。5分隊(航空科)は大きな艦艇にしか乗り組まないため、まず使わない。
  2. ^ 利き手に関わらず、必ず右手で行なうこととされている。
  3. ^ 課業整列(かぎょうせいれつ)の意。他に「たーいっ!(分隊整列)」や「おーうっ!(応急隊整列)」などもある。
  4. ^ 総員集合(そういんしゅうごう)の意。
  5. ^ 艦内へ食糧などを積み込む作業。みんなでダンボールをリレーする。

外部リンク[編集]

関連項目[編集]