出典: へっぽこ実験ウィキ『八百科事典(アンサイクロペディア)』
八百科事典を書籍化する日のために、序(じょ)を書いておけ、という注文である。
近年の世相は傷心のきわみである。
こういうときに、序を意うは、心の郷愁である。いきなり「序」と聞いて、私の心眼には、きらりと光る紫の地中海を見た。ようやく老いんとする私の心身に、再び若き日の麗光がさして、小春日に血が温まった感じである。序に関する芸術史論は、最も興味あるひとつの研究課題である。また新進の学者にその適任者もあろう。東洋に興味が戻って支那大陸に年々春秋のたびを楽しんだのも、その荘重なる山河と瑰琦なる芸術のうちに、中華の序を捜し求めたに他ならない。芸術を愛し人生に美感を増益せんとする人に、多少の道標となるならば、私の幸せこれに過ぎない。