悪霊 (小説)

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悪霊』(あくりょう)はロシアの文豪ドストエフスキーの小説。主人公の「悪魔的超人」であるはずのスタヴローギンがニートであり、作品の前半ではほとんど登場しない(本の裏の能書きは詐欺である)。そのためサブキャラのステパン先生が事実上の主人公になっている(ピュートルを加えて三人主人公の物語が絡み合っているという見方ができる)。とりあえず虚無的な作品。「悪霊」とは聖書の悪霊に憑かれたブタの群れが溺死する話に由来しており、「世の中のためにならない連中がガンガン破滅する」「それによって郷土が浄化される」という実もふたもない話である。

目次

[編集] ステパン先生の物語

元大学教授だが今はワルワーラ夫人(スタヴローギンの母)の居候。情けない人。博打基地外。廃人。幼き日のスタヴローギンに計り知れない悪影響を与えた。最後は家出して死亡。「自分が滅んでいくべき悪魔の大将かもしれない」と自嘲していた。

[編集] ピュートルの物語

ステパン先生の実子で策略家。革命グループを立ち上げる。リンチ殺人を指揮したり、自殺志願者を励まして自殺させたりする。スタヴローギンを仲間にして協力させようとする。で、町を混乱に陥れる。市長(趣味:ペーパークラフト)は発狂する。最後は無事に逃亡(一番悪い奴が逃げちゃったよ、こいつが死ななきゃ意味無いじゃん)。

[編集] スタヴローギン(真の主人公)の物語

暴力沙汰を起こして軍隊を追われる。要するに燃え尽き症候群の廃人だが昔はカリスマ性があったわけで、今でもその名残がある(そのためピュートルに目をつけられる)。決闘で死のうとしたりする。ふざけて結婚した神経質女が廃人になり、さらにその兄にたかられる。幼女を陵辱して自殺させたりした暗い過去がある。最後は石鹸を塗ったタオルで首吊り。解剖の結果、最期まで正気だったことが確認される。

[編集] その他

ノイローゼの女、思想的な理由で自殺したい青年など逝っちゃってる人達多数。狂人大行進。

[編集] 考察

この作品の背景にはロシア終末思想が前提としてある可能性がある。ロシアのキリスト教では歴史の終末が近くなるとアンチキリストが現れるという伝承がある。アンチキリストは救世主を装って人々を騙し、烙印を押す。烙印を押された人々は最後の審判で地獄へ投げ込まれると伝えられる(記憶が正しければソースは「鳩の書」だったはず)。そういった観点からするとこの作品はスタヴローギンをアンチキリスト、偽りの救世主に見立てているという見方もできる。さらにうがった見方をすれば、スタヴローギンは無意識的な厳しい倫理感ゆえに無気力に陥ったという風にも見える(軽薄な人間ならば深くは悩まない)。ドストエフスキーの作品はそういった背景まで知っていないと本当には理解できないのかもしれない。とりあえず調子に乗って色々言っているインテリ連中がどこまで理解しているのかははなはだ疑問である(アンサイクロペディアンこそ最強である)。