潮騒
出典: へっぽこ実験ウィキ『八百科事典(アンサイクロペディア)』
潮騒(しおさい)とは、昭和時代のボディ・ビルダー三島由紀夫がハラキリをする前に書いた小説。
[編集] あらすじ
若手漁師の久保新治は、ある日浜で見慣れない娘を見かける。彼女は島の有力者宮田照吉[2]の末娘で初江であった。照吉は一人息子を失ったため、養子に出していた初江を呼び戻したのである。島では青年支部会長の川本安夫が宮田家に婿入りすると噂が立つ。新治はショックを受けるが、ある日、旧陸軍監的哨跡で初江に出会い、キスを交わす[3]。
次第に好意を寄せ合う2人は、休漁の日に監的哨で待ち合わせる。それは嵐の日だったが、2人とも律儀に約束を守る[4]。先に着いた新治は濡れた体を温めるために焚き火を起こし[5]眠ってしまう[6]。目を覚ますとそこには上半身裸で火にあたる初江がいた。2人は抱きあうが、初江は「今はいかん。私、あんたの嫁さんになることは決めたもの[7]」と言い、体を重ねることはなかった[8]。
しかし監的哨からの帰りに灯台長の娘千代子に見つかってしまう。新治にひそかに想いを寄せていた千代子[9]は、嫉妬から二人の悪い噂を広め、それを聞いた照吉は怒って以後2人が会うことを一切禁じる[10]。その後、安夫は暗がりで初江を襲うが[11]、こちらは家格の違いからか照吉も不問とする。仕方なく2人は、新治の漁師仲間を介した文通で互いの気持ちを伝え合う。このころから新治と近しい人たちは新治の恋を応援し始める[12]。
新治の母親は女手一つで2人の息子を育てる、海女の名人である。新治に根も葉もない[13]悪い噂が立っていることを知ると、照吉の家に直談判に行く。しかし門前払いを食ってしまう。ある日、鮑取りの合間に浜で休んでいるときに初江の清潔な乳房を見て、やはり噂はただの噂に過ぎなかったと確信する[14]。そこへ物売りが訪れ、鮑の取り合いの勝者にハンドバッグを進呈すると言う。初江は新治の母親たちを抑えて勝つが[15]、父の非礼を詫びてハンドバッグを新治の母親に譲る。
一方、新治は照吉の船「歌島丸」の船長の勧めで船員見習いとなる。新人は安夫と2人であった。安夫は持ち前の演説の上手さから[16]、他の船員からも一目置かれるようになる。しかし真面目に働く新治とは対照的にサボり気味の安夫は、徐々に評価も落ちていく。沖縄に着くと台風に見舞われ、船とブイをつなぐワイヤーも切れてしまう[17]。新治は荒れた海を泳いで船とブイを綱でつなぎ合わせる大仕事を買って出て、それを成功させる[18]。真面目に仕事をした上に手柄を立てた新治を照吉もついに認めた[19]。噂を流したことを詫びた千代子からの手紙を受け取り[20]、灯台長夫人や海女たちが照吉の家に行くと、すでに照吉は新治を婿に決めていた。
晴れて新治と初江は島公認の仲となり[21]、2人でそのお礼参りに行くのであった。
[編集] 注釈
- ↑ 現代社会から取り残された弧島として描かれており、周囲を大型船舶が行き来する伊良湖水道にあって、いくらなんでも田舎扱いしすぎだろうという指摘もあった。しかし実際の生活水準は周囲からかなり取り残されていたらしい。
- ↑ こんな島だから有力者と言っても知れている。照吉は典型的なお山の大将である。
- ↑ 女性経験がないにしてはスムーズすぎる印象が拭い切れない。
- ↑ 嵐の日に山に登るのは大変危険であるため、本来は逢瀬は延期すべきであった。とくに若者は、恋に目がくらむと危険を顧みないため注意が必要である。
- ↑ 自分の家の薪はすでにほとんど持ち帰っている。人様の薪で暖をとろうとは図々しいにも程がある。
- ↑ 火災やガス中毒の危険性をまったく考えていない軽率な行動である。
- ↑ 親の性格を知っているにも関わらず、軽々しくこのようなことを口走ったがために新治は以後悶々とする羽目になる。最終的に結ばれたから良かったようなものの。
- ↑ 男ならそこで言われるままに引き下がるなよ、と言われそうだが、現に新治の師匠も同じようなことを言っている。しかし女性慣れしていない新治にとっては抱き合うまでが限界であろう。
- ↑ 東京の大学に通っているなら、新治に拘らずにそこでもう少しアカ抜けた男を見つけるべきである。
- ↑ このあたりから照吉が悪者のように描かれているが、娘をキズものにされた父親としては至極当然の対応である。
- ↑ 結局未遂に終わるが、2度も蜂に刺された上に最後は初江に口封じを懇願するとは情けないにも程がある。
- ↑ 村で評判の娘との恋を取り持つ友人の好意に、新治はもう少し感謝すべきである。
- ↑ 新治はそう主張するが、交合こそ避けたものの安夫が主張するように「乳繰り合って」いたことは事実である。
- ↑ 小説全編を通して処女と非処女の肉体の違いに拘りすぎるきらいがある。三島は処女崇拝が強かったのだろう。
- ↑ 最近島に来た小娘に敗れるとは、他の海女連中はそろそろ廃業を考えたほうがよい。
- ↑ 議論の際にはいつもにこにこしながら聞いているだけの新治は、やはりおつむが弱いらしい。
- ↑ 命綱を使うときがきたと船長はいやに嬉しそうだが、それならばはじめから命綱で繋いでおけばよい。
- ↑ 新治の並外れた泳力の賜物と書かれているが、当時18の漁師が5里を泳ぐのは案外普通の泳力だったりする。
- ↑ 認めたが、やはり家格も重視していることが伺える。低学歴で家格も低い新治は、照吉との関係で今後苦労するであろうことが容易に推察される。
- ↑ 謝罪が遅いから一編の小説になるほどの騒動になったのである。
- ↑ 全島を巻き込んでの騒動を起こした2人は、挙式の際は相当多くの人にお礼参りに行かなくてはならない。
[編集] 評価
三島にしては珍しく、明るく健康的な男女の愛を描いた小説と評される。しかしそれほど会わないうちから唇を重ね、裸で抱き合う姿からは、その評価にも疑問を投げねばならない。しかしそもそも三島は金閣寺に代表される陰鬱とした小説が多く、疑うことを知らない新治の馬鹿に陽気な振る舞いが書かれていることについては「明るい小説」という評価も妥当である。
ところで、三島本人はこの作品を「左手で書いた」、とも述べており、それくらい適当に書いた。それが大ヒットしたので、三島は絶望したという。「世界の中心で、愛をさけぶ」や「ノルウェイの森」が売れていることに疑問を感じる人は多いが、潮騒に文句をいう人が少ないのは、まさに権威主義的だと言えよう。
過去に5度も映画化されている。これは恋愛ものでありながら18禁シーンがなくてよいという、映画製作者にとって好都合な作品だからである。
この小説はファンが多く、それゆえ舞台となった神島へ訪れる人も多い。今でもニュースなどでは「三島由紀夫の小説『潮騒』の舞台となった神島では」と紹介される。観光産業振興の絶好のチャンスとなったわけだが、あいにく観光客はもっぱら監的哨という廃墟ばかりに出かけるため、経済効果は意外と小さい。
| ……この記事「 潮騒 」は書きかけだけど、でも勘違いしないでよねっ! べっ、別に、アナタに加筆して欲しいわけじゃ無いんだからねっ!まっ、まあ、アナタがどうしてもって言うのなら、ちょっとだけ書かせてあげてもいいけど…… (Portal:スタブ) |