相同性

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相同性(そうどうせい)とは、異なる分類群の生物について、それぞれのある部分が系統的・発生的に同一であると見なせることである。そのような観点から同一であると見なせる器官を相同器官という。

概要[編集]

たとえば人間の前足はその形も働きも全く異なっているが、その骨格だけを取り出して比べるととてもよく似ている。また、それらの発生を調べると胚の初期には両者はとてもよく似ており、手も前足もほぼ同じ形から変化していくことがわかる。そのような器官を相同器官といい、そのような関係を相同であるという。また、これらの進化を考えると、いずれも魚類の胸びれに起原を持つものであることがわかる。

たとえば脊椎動物に於いて、両生類は虫類ほ乳類の前足や鳥類の翼はすべて相同器官である。相同器官があることは、それらに強い類縁関係があることを意味する。したがって分類をする場合にもこれは重要な意味を持つ。

判断の問題[編集]

上記の例は比較的わかりやすいが、それでも判断に迷う場合はある。たとえばヘビには前足がない。これをもってヘビをは虫類でないと判断するのは無理がある。あるいはウマの前足や鳥の翼ではその骨格の変化が激しく、もはや人の手と比べて同一であるとは思えない。

このような場合に役に立つのは何よりも直観的な判断である。こう言うと非科学的に見えるかも知れないが、たとえば他人の感情がわかるというのも、論理的には説明できないものであって、実際には人という共通の構造を持つもの同士がその共通性を基盤にして直感的認識をかわし合うものである。同様な判断がこの場合も活用できるのである。

たとえば犬の芸である「お手」は、犬の前足を挙げさせるが、これは明らかにおかしい。犬が挙げるのは前足であって手ではないからである。つまり、人間の方に犬の前足は手と相同であるとの判断があってこそのことである。もちろん、相同性などという高度な理論は近代科学の結果であり、一般人がおいそれと知っているはずがないから、この判断は明らかに直感的認識に基づく。逆に犬から見ても、「お手」といわれた場合に、「手なんかないぞ、仕方がないから前足を挙げておくか」という判断があるからこそ、この芸は行われるのである。

より縁が遠い場合[編集]

現在の生物学の判断では、現生のすべての生物は共通の祖先を持っている。つまりすべての生物群の間にはそれなりの類縁関係があると言える。とすれば、それらの間にも相同な部分があっていいはずである。しかしそれは縁が遠いほど把握しにくくなることは容易に想像できる。

たとえば植物を前にしたとき、その姿と我々の間に相同性を見いだすことはもはや不可能と言ってよいであろう。形も働きもあまりにかけ離れているからである。こうなると、論理的判断はもちろん、直感的認識さえもはや有効とは言えない。では、このような場合、何が有効か。それは民族的な直感である。我々は長い歴史を持ち、その間にそれらを眺めている中で、各部分に名前を付けてきた。それはいわば集合的無意識による直感的認識の結果と言える。ここに相同性の判断が反映されるはずである。そう考えると、たとえば植物の各部の名に動物の器官の名が見られる理由がわかる。

つまり、植物のは動物のにそれぞれ相同なのである。字が違うのは、その形があまりに違うので同じものを当てるのがはばかられる、と言う論理的判断が直感的認識をゆがめた結果である。位置関係があまりに違う、との反論もあろう。しかしそれこそが類縁関係の遠さを示すものと考えれば納得できるものであり、進化論的にも筋が通っている。構造や働きの違いも大きいが、相同性とはそのような些末な事情より高度な判断によるものなのである。

他方、には対応する名の部分が動物にはない。したがって、それらの器官は植物に固有のものであり、それこそが植物と動物の違いだと判断できる。陰茎というのがあるがどうか、という反論もあろうが、明らかにこの名は形態的特徴の類似による論理的判断に由来するので上記の観点からは採用しがたい。

感情表現[編集]

時に植物に感情があるかどうか、と言った議論がなされることもある。これも上記のような観点から見ることができるだろう。少なくともその現れ方については判断の根拠が得られる。

たとえば童謡に「お花が笑った」というのがあるが、これは我々の表情の表現に「鼻で笑う」があるのと呼応している。つまり植物は花の部分で笑う、少なくとも笑いによる表情の変化が花に出る、と言うことである。人間の表情だと「歯を見せる」が笑うことを意味するが、これについては植物の場合、常に葉を見せているから、笑っているかどうかの判断には使えない、と言う事情がある。

Wikipedia
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