陰陽師 (小説)

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奇妙な小説の話をする。

たとえて言うなら、に漂いながら、の虚空に浮くのような小説の話、そんな小説の話だ。

名は、陰陽師

夢枕獏の小説である。

概要[編集]

「そのあんさいくろぺでぃあという辞書では内容を有る程度説明し、その上で皮肉をいれねばならぬのだ」

源朝臣博雅は瓶子から手酌で酒を注ぎながらその「辞書」の事を言った。

「ふむ」

晴明はうなづきながら、素焼きの皿の上のに手を付ける。

「その辞書ではつまらぬ記述は何者かによって即座に奇怪な札を張り付けられ——」

博雅は酒を飲み干し、続ける。

「消されてしまうのだ」

「ふむ」

「どのように時間をかけて作ったものだろうと容赦なくだ。先日は帝が直々に記事を書かれたのだが——」

「——」

晴明は糸のように目を細めながら、博雅の言に耳を傾ける。

「おそれおおくも『意味不明』という一言とともにその面妖な札を張り付けられたのだ」

晴明は鰯の頭をかじりながら返す。

「それはな、だ」

「またか」

雪が手入れの行届かぬ庭に降り積もる。

「わからぬ」

わずかに間を置いて、

「俺はどうも呪の話になると何だかわからなくなってしまうよ」

「博雅、例えばだ。その場合、帝は記事を書きたいと思う。これも呪だ」

「呪か」

晴明は酒を飲みながら続ける。

「そして何者か、恐らく妖、これが記事を消したいと思う。これも呪なのだ」

「さっぱりわからぬ」

博雅は酒を飲みながら続けた。

「だがな、晴明——」

「——」

「俺はたとえ呪により即時削除を張り付けられようとも、うぃきぺでぃあのように無味乾燥な記事は書かぬ」

「うむ」

「あんさいくろぺでぃあに本当の、生の陰陽師と安陪晴明の事を書きたいのだ——」

しばらくの沈黙があった。

「——博雅よ、お前はよい漢だなぁ

半分納得しかけている博雅を眺めながら晴明は

「では書きにゆくか」

と続けた。

「うむ」

「ゆこう」

「ゆこう」

そういうことになった。

関連事項[編集]

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