鬼畜米英
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鬼畜米英(きちくべいえい)とは、先の戦時中、当時の日本陸軍と海軍の対立を揶揄し、煽り立てるために作られた標語である。
概要[編集]
明治時代以来、大日本帝国では陸軍と海軍の仲はよくなかったが、とりわけ日中戦争以降、戦争の方針を巡って対立が激化した。この険悪な関係は日本が太平洋戦争に突入しても続き、陸海軍の意思疎通の不備は戦争の円滑な遂行を妨げていた。また、将官クラスでもお互いに悪口を言い合うという状況で、このようなくだらない対立のせいで戦争が一向に終結せず、苦しい生活を強いられていた一般市民の怒りは頂点に達していた。このような中、どこからともなく「鬼畜米英」という言葉が現れ、流行語となった。「鬼畜米英」とは、陸海軍の対立を暗に揶揄した言葉であり、「米」とは海軍の実力者である米内光政を、「英」とは陸軍の実力者である東条英機を指していると言われている。
当時、子供たちの間では東条や米内の顔を地面に描いて踏みつける遊びが流行っており、「鬼畜米英」という言葉が庶民の隅々まで広まっていたことを物語っている。