UnBooks:ドイツ人をイラッとさせる方法

出典: へっぽこ実験ウィキ『八百科事典(アンサイクロペディア)』
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筆者がドイツを旅していた時の話である。ドイツ人と共にドイツビールを飲んでいたら突然こんな事を言われた。

「俺日本に行ったことあるけどさ、日本のビールって不味いよな。ドイツにきて本場のビール勉強しようとか思わないのかよww」

ドイツと日本では嗜好が違うとか、提供の仕方が違うとか、ドイツ人でも日本のビール好きな奴は居るとか、そういった詳しい説明は諦めた。当時の筆者の貧弱な語学力では荷が勝ちすぎたのである。

そんなことはどうでもよろしい。ドイツ人はよく悪態をつく。日本語でなら「おわっ」とか「あちゃー」とかに含まれそうな感情表現でさえドイツ語では"Scheiße!" (クソ!の意味)という悪口に変換される。市役所で公務員にあけすけに毒づかれたのも一度きりではない。皮肉の表現ならば英語を凌ぐものがある。そしてそれらドイツ人の気性を支えるのが徹底した外省的思考である。

俺たちは悪くない。ユーロ危機はギリシャ人のせいだし仕事が無いのはトルコ人のせいだ。WM(サッカーワールドカップのこと)で優勝できないのはイタリアがズルするからだ。そういった信念のもとに外方向に向けられたドイツ人の怒りが、日常会話に表れる悪口雑言(Schimpfwörter)の正体だ。

古くから日本は慎み深い和の精神で知られてきた。場の調和を乱さないように怒りは抑えて、振る舞いを慎んで。しかし日本という国が国際社会の表舞台に立つ今、相手から一方的に言われるばかりでいいのだろうか?答えは否だ。相手からふっかけられた舌戦ならばこちらも相応の準備をして迎え撃たなければならない!今こそ高らかに言おう、Scheißdeutschen! (クソドイツ人め!)

Äh, was guckt ihr mich denn so an? Nee, das hab' ich nicht wirklich ernst gemeint. Wirklich nicht! (ちょ、何そんな睨んでくるの?別に本気で言ったわけじゃないってば。いやホントだって。)

最重要キーワード - wichtigste Schlüsselwörter -[編集]

以下の例文には大人が顔を顰めるような乱暴な表現が含まれています。これらの文章を実際に使ったことでドイツ人との仲が険悪になっても、補償しかねます。なお、ドイツ語教室でこれらを口にした場合、先生が表情をひきつらせながら高い点数をくれるか、不合格になるかどちらかでしょう。

Scheiße (シャイセ、クソ、shit)[編集]

ドイツ語を語る上で避けて通れない最重要語である。この言葉が載っていないドイツ語辞書は存在しないし、この言葉を口にしないドイツ人も(たぶん)存在しない。最も多いのはそのまま使う形だが、"scheißen"という動詞の形で使ったり、"Scheiß-"を接頭辞として様々な複合語を作ったり、"die Scheiße"という名詞を慣用表現に織り込んだりと多彩な使い方ができる。

例文 (実際に発音してみよう!)

"Scheiße!" シャイセ!
「くそっ!」
解説は不要だろう。
"Scheiß drauf, mir ist’s scheißegal." シャイス ドラウフ、ミア イスツ シャイスエガール。
「放っとけよ、そんなのクソどうでもいいし」
"scheiß"は直訳するなら「クソをたれろ」だが、この場合「無視する、放っておく」。"egal" (どうでもいい)を口汚く強調した形が"scheißegal"である。
"Du hast wirklich `ne Scheiße gebaut." ドゥ ハスト ヴィアクリッヒ ネ シャイセ ゲバウト。
「マジでとんでもないことしでかしやがったな」
"Scheiße bauen"で「とんでもないことをしでかす」。ハートマン軍曹風に言えば「クソの山をおっ立てる」だろうか。

押さえておきたいキーフレーズ - Schlüsselphrasen -[編集]

ステップ1: 相手の話をさえぎる/無視する[編集]

イライラ度: ☆★★★★

興味のない長話に付き合わされたり、先制攻撃を受けてイラッと来た時はこれらのフレーズで牽制しよう。大声を出すのはまだ早い。相手が怯んでくれればこちらの勝ちだが、さらにエスカレートするようなら次のステップに進む。

"Na und?" ナ ウント?
「ああ、それで?」
相手が真面目に話している時ほど、繰り返すほど効果は高い。視線を逸らし、少し首をかしげて興味なさそうに言うと更に効果的だ。「ウント」は「ウンッ?(トゥ)」という風に発音すること。
"Was geht dir das an?" ヴァス ゲート ディア ダス アン?
「お前に何の関係があるんだ?」
"Kommt nicht infrage." コムト ニヒト インフラーゲ。
「話にならないな」
相手の提案、要求を聞いたあとで。少しキザっぽく肩をすくめて伝えよう。
"Blödsinn." "Unsinn!" "So `n Quatsch!" ブレートジン。 ウンジン! ゾーン クヴァッチ!
「馬鹿な事言うな」「ナンセンスだ」「馬鹿馬鹿しい!」
鼻笑いを交えて言うとイライラも最高潮に達するだろう。


ステップ2: 不快を表明する[編集]

イライラ度: ☆☆★★★

ステップ1で不快感を仄めかしても相手が気づかない、あるいは気にしないとなると、より直接的な言葉が必要になる。声は抑えたままで、威圧感たっぷりに発音しよう。これでも相手が退かなければ、本格的な口喧嘩に突入する。次のステップに進むこと。

"Ach, verdammt!" アッハ、フェァダムト!
「うわっ、畜生!」
イライラた時にとりあえず言ってみるべし。英語では”Damn it!”に相当する単語だ。
"Du nervst echt." ドゥ ネァフスト エヒト。
「お前マジイラつくわ」
直接的な表現で不快感を表せば、いくら相手が鈍感でも理解できる。まあ「何に対してイライラしているのか」を理解してもらうのにはさらに時間がかかるだろうが。
"Es geht mir auf die Nerven.(auf die Eier)" エス ゲート ミア アウフ ディ ネァフェン (アウフ ディ アイアー)
「(それのせいで) イライラする」
直訳すると「物が神経の上を歩く (タマタマの上を歩く)」であって、その苦痛は想像して余りある。が、誇大表現なので誰も気にしない
"Na, was soll das?!" ナ、ヴァス ゾル ダス!?
「こりゃ一体どういうつもりだよ、え?」
信じられないものを見た時に、非難の気持ちを込めて言ってみよう。相手がムッとすれば成功だ。
"Ich hab schon die Nase voll." イッヒ ハープ ショーン ディ ナーゼ フォル。
「もううんざりだよ」
直訳すれば「俺は鼻が満杯だ」となる。鼻炎か。


ステップ3: 威嚇する[編集]

驚くような絶叫で相手のやる気を削ごう。

イライラ度: ☆☆☆★★

口喧嘩になったら取り敢えず大声を出して相手を威嚇する事が大事だ。相手が怯めば場の主導権を握れるし、その間に言いたいことも言ってしまえる。お互い一歩も退かずに本格的な罵り合いになったら、次のステップに進むべし。

"Halt die Klappe!" "Halt dai Maul!" ハルト ディ クラッペ! ハルト ダイ マウル!
「黙れ!」「うるせぇよ!」
もうこの段階だと発音は比較的どうでもいいので、勢いが大事である。日本人は背丈で劣勢に立たされることが多いので、声の大きさで負けてはならない。
"Hau ab!" "Geh weg!" "Verschwinde!" ハウ アプ! ゲー ヴェック! フェァシュヴィンデ!
「あっち行け!」「どっか行け!」「消えろ!」
視線でドイツ人を押し返すことが出来たらこっちのものである。あなたがレスラーかズーモケンプファーでないかぎり力で押し返すのは諦めたほうが良い。


ステップ4: 相手を直接なじる[編集]

イライラ度: ☆☆☆☆☆

もうなりふり構っていられない。このステップでの目的は相手をキレさせることで心の満足を手に入れることだけだ。喧嘩の後のことなど考えてはならない。ここまで来ると殴り合いの乱闘に発展するのは必至である。

"Du Doof!" "Vollidiot!" "Schaf!" ドゥ ドーフ! フォルイディオット! シャーフ!
「アホ!」「ド間抜け!」「バカ!」
こういった直球の罵り言葉も場合によっては効果的である。
"Spinnst du?" シュピンスト ドゥ?
「頭おかしいのか?」
自分の額をつつきながら言ってあげよう。以降の関係に深刻なヒビが入ることうけあいである。
"Bist du blind, was?" ビスト ドゥ ブリント、ヴァス?
「目ぇ開けてるか?」
文の終わりにつける”was?”は「~なのか?」「~じゃねーの?」といった小馬鹿にしたニュアンスをつけることができる便利フレーズである。直訳すると「お前盲目なんじゃないか?」
"Feigling!" "Versager!" ファイグリング!ファザーガァ!
「臆病者!」「負け犬が!」
総統閣下がお怒りの時に発した言葉として覚えている人も多いはずだ。しかし一般に信じられているように「大っ嫌いだ!バーカ!」と言ってるわけではない。
"Kacker!" カッカー!
「うんこたれ!」
ここまで来ると小学生の喧嘩だ。しかし決して総統閣下ーに対して口にしてはならない。即座に銃殺刑だろう。
"Lügner!" リューグナー!
「嘘つき!」
間違えて「ワーグナー」と言ってしまうと場の雰囲気が一気にクラッシックになってしまう。気をつけよう。
"Arschloch!" アーシュロッホ!
「クズ野郎!」
"Arsch"がケツ、"Loch"が穴でケツ穴野郎である。ドイツ人が怒り心頭に発した時に言う罵り言葉として比較的ポピュラーなものだ。当人を目の前にして言う時は一発食らうことを覚悟しておいたほうがいいかもしれない。


ステップ5: 勝利宣言をする[編集]

イライラ度: ☆☆☆★★

殴り合いに仲裁が入り、一息ついたら不敵に笑って勝利宣言をしよう。優勢だったか劣勢だったかはともかく、相手がもう一度殴りかかってきたら完全勝利だ。なに、今更青あざが増えたって別に構わないだろう。

"Wusste ich's schon!" ヴステ イッヒス ショーン!
「(こうなるってのは)分かってたからな!」
"Siehste!" ジーステ!
「ほら見ろ!」
ちなみに"Siehst du?" (見えるか?)の短縮形。
"Na, toll!" ナ、トル!
「そいつぁ素晴らしい」
相手がヘマをした時などに皮肉たっぷりに言うのが宜しい。


ステップ6: 謝る[編集]

申し訳なさ:☆★★★★

喧嘩の熱が収まったら、多少バツが悪いものを感じながら相手に謝ろう。

俺が悪かった。あそこまで言うつもりはなかったんだ。ビールでも飲んで仲直りしよう。幸いここではどんな諍いでも一緒に酒を飲めば水に流してしまえる。やっぱりいい国だよ、ドイツってさ。

"Entschuldige." エントシュルディゲ。
「ごめん」
一番軽い謝り方である。謝罪の意図が伝われば良い。
"Ich gebe zu, das war zu viel." イッヒ ゲーベ ツー、ダス ヴァー ツーフィール。
「確かに、言い過ぎたよ」
ステップ4を真に受けて言い過ぎた人のために。
"Verzeih mir." フェァツァイ ミア。
「許してくれ」
沈んだ表情で許しを乞うてみれば、相手も少し同情してくれるかもしれない。
"Versöhnen wir uns." フェアゼーネン ヴィア ウンス。
「仲直りしよう」
バツの悪そうな笑顔で握手できれば、休戦成立である。


ステップ7: 再燃する[編集]

イライラ度: ?????

いやあ、さっきは悪かったよ。酒でも飲んで忘れようぜ。乾杯(プロースト)!ところでお前、ブンデスリーガはどこ応援してるんだ?俺はやっぱりドルトムントかな。やっぱり日本人としては、同じ日本人を…。

え?何だって?もういっぺん言ってみろよ、俺たちのカガワを悪く言うんじゃねえ!

ステップ3か4に戻る。


おまけ "Dai Mudda"編[編集]

本場ドイツ人の容赦無い攻撃の数々、いかがだっただろうか。本当はこれでもドイツ人の使う言葉の1割にも満たない初級編に過ぎないのだが、今回はここまでとしておこう。なお今回のおまけ、やや上級編として”Dai Mudda”編を収録した。

"Dai Mudda" (ダイ ムダ)とは、"Deine Mutter" (お前の母ちゃん)のことである。しかし「お前の母ちゃんデベソ」というように直接罵る対象にするわけではない。むしろ相手が自分を批判しようとしてきた時に、その批判をかわすのが主な使い方である。ドイツ人の責任転嫁もここまでくると大したものだ。

「なあ、俺のプリン誰か食ったか?」
「"Dai Mudda!" (お前の母ちゃんだろ)」
「この粗大ごみって誰のだよ?」
「"Daina Mudda!" (お前の母ちゃんのだな)」
「悟りを開いたのってだれだっけ?」
「"Dai Buddha!" (お釈迦様だな)」
「パンに塗るあれ、なんだっけ」
「"Dai Butta!" (バターだよ)」

十分に親しい間柄ならジョークとしても通用するが、それほど親しくないのにこんな事を言ってしまったら相手はイラッとくることうけあいである。積極的に使っていこう。


最後に[編集]

日本のことを悪く言われっぱなしでは釈然としないので、冒頭のドイツ人にこう反論してみた。

「じゃあドイツで売ってるSushiはどうなんだよ。あれこそ日本で勉強したほうがいいシロモノだよな」
中国人に言えよ![1]

まったく、たいした外省精神である。

  1. ^ ドイツのSushi Restaurantはたいてい中国人が経営している。