UnNews:“利息返還”実はサラ金とグル

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毎朝新聞 7月7日付夕刊 コラム『虚実混淆』

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“利息返還”
実はサラ金とグル

あなたの払い過ぎた利息、取り戻します――近年増加してきた、こういった謳い文句の広告。いわゆるグレーゾーン金利の撤廃により消費者金融を相手に利息返還調停を代行する法律事務所が人気だ。

真面目に返済しようとしている債務者なら大抵の場合、適性な利息で計算すればかなり前の段階で返済を終えているのが普通だ。法律事務所では財産・法律のスペシャリストがそういった見積書を提出し、返済が終了している筈の日から支払い過ぎている利息分の返還を要求するわけだ。

このような法律事務所には、複数の消費者金融からお金を借りている多重債務者が多く訪れている。複雑な債務状況を解決するには、どうしても弁護士の力が必要だからだ。利息返還の手続きを行ったら、その約15%から20%を法律事務所が報酬として受け取り、残りが払い過ぎ利息として戻って来る。

多重債務に悩んでいた人は債務から逃れることができる。借金返済を終えた人は、返って来ないと思っていた利息を手に入れることができる。法律事務所の広告には喜びの手紙が堂々と掲載されている。だが――

もしもこれが、消費者金融と法律事務所、双方のシナリオ通りだとしたら――

◆ ◆ ◆ ◆

6月末、大阪のある法律事務所に大阪地検の家宅捜索が入った。同時刻には、大阪、東京の大手消費者金融へも事情聴取が行われた。容疑は詐欺だった。

12年前、現法律事務所の代表で、当時司法試験に合格したばかりの西川良兼(43)は大阪の消費者金融に訪れ、こう言い放った。「違法ギリギリまで金をむしり取ったらええ。ちょっと金を返すだけで、神様を見たみたいに感謝しよる」グレーゾーン金利という言葉がなかった時代、消費者金融は泣き寝入りするしかない債務者をカモに取りたい放題だった。しかし西川は、債務者が黙っていない時代が来ることを予見して手を打とうとしていたのだ。

債務者が騒ぎ立てたら、利息の処理と称して消費者金融の思い通りの金額を返し、西川が上前をハネて債務者に渡す。対策はこれで十分だった。この“密談”の後、西川は大阪に法律事務所を立ち上げて10年の間信用を得るために実績を重ねた。

西川自身は“30年の計”と考えていたが、その時は意外に早くやって来た。グレーゾーン金利の撤廃が取り立たされたのだ。西川はすぐに準備に取りかかった。現代的でスタイリッシュなオフィス。女性が相談しやすいように、担当司法書士・行政書士も女性を登用する。西川は事務所を移転して、他に先駆けて「払い過ぎた利息が返って来る」を売り文句にした事業を開始した。消費者金融に通う者はテレビ新聞を見ない、と西川はそれらに広告を出さなかった。代わりに目を付けたのは駅や電車の壁広告。必死に働きに出る債務者が「ふと眺めた時に、まるで様の言葉に見えるように」という西川の考えに、債務者達は見事に引っかかっていった。12年前に訪れた消費者金融も手を結び、多重債務者のリストを利用してみずから“営業”にも出かけていた。

◆ ◆ ◆ ◆

元多重債務者で、西川の事務所に相談したAさん(23)は、当時の状況を回想して語る。「弁護士は『もう心配入りません』と話してくれた。その時は『何が入って来ないのか』と引っかかるところもあったが、弁護士の言葉で重い荷が降りたことで一杯で、それ以上のことは考えられなかった。」西川が12年前に言った通りの行動をみな取っていた。

「借金は返したけれど、奪われた人生は少しも返してもらえなかった」事実が発覚した時、Aさんはそう叫んだ。半年前、返ってきた利息に歓喜の涙を流して西川と握手した。しかし、もともと払う必要のないカネだ。返ってきたところでマイナスがゼロになったに過ぎない―― 西川の逮捕でハッと目が覚めた。

(この項目は、八回にわたってお送りしません)

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この記事は2009年十大バ科ニュースにて第二位を受賞しました。
いや、ただこれを貼っただけなのですが、なにか?

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