UnNews:事故米で接待、農水省激怒
【2008年9月16日】
農薬などで汚染された事故米を食用として転売していた米販売会社「三笠フーズ」(大阪市)の冬木三男社長らが2005〜06年、当時の農林水産省大阪農政事務所の消費流通課長 (62) を飲食接待していたことが14日、分かった。接待では、現在保育園や病院施設などへの流出が問題となっている事故米が振る舞われていたことも判明した。
元課長は、2005〜06年に2度、大阪市内で酒食を伴う接待を受けたとされる。いずれも冬木社長ら三笠フーズ側の数人が同席。出された料理のうち寿司や餅などに事故米が使用されていたものとみられている。
農水省は事実関係を認め「大変遺憾。他に同様のケースがないか調べている」として、15日、省内で食糧関係の職員を対象とした緊急調査を行っていることを明らかにした。 国と契約を結ぶ利害関係者に接待を受けることを禁じた国家公務員倫理規程もあるが、同省はもっぱら、尊ばれるべき公務員が立場上の理由から汚染食品摂取の憂き目を見ることになったという点を問題視しており、接待の事実が判明した場合は同省職員に健康被害がないかどうか徹底的に調査・追及していく方針。
今回は、犠牲になっても社会的影響の小さい病人や幼児、庶民ではなく、国家の重要な構成員たる公務員が被害を受けていたことが明るみに出たため、同省や政府の現状認識が切り替わった形だ。 同省職員は、「公務員だからといってこのような仕打ちを受けるのは、まったくもって理不尽。このようなことが続けば、公務員ならではのメリットを相殺してしまい子どもがなりたい職業ランキング上位常連の座も危うくなる」と憤る。
元課長と親交のある同省幹部によると、元課長は現在、事故米を使用して接待を行った三笠フーズに対する訴訟の準備中だという。