ドラゴンクエストII 悪霊の神々
『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』(ドラゴンクエストツー あくりょうのかみがみ)とは、1987年にエニックスから発売された、ドラゴンクエストシリーズの第2作である。当時の子供達にいろいろと含蓄のあることを教えてくれた。
概要[編集]
当作品は各種ハードウェアに移植されているが、当記事では主に元祖であるファミコン版について記述する。
本作の最大の特徴はパーティー制を採用したことである。主人公側は3人パーティー、敵側も最大5体で徒党を組んで主人公側に襲い掛かってくる。これはエニックスが子供達に「集団リンチの有効性」と「一芸に秀でた強さと、器用貧乏の弱さ」を教えるためであった。このことで当時の子供達は1つの物事を集中して鍛錬し、武道ノイローゼ(すべての武道に無駄に打ち込む事でその全てが中途半端な人)が減ったと言われている。
また、コンティニュー方法であるパスワードの「復活の呪文」が、子供が記録するには長すぎの領域となり、書き写し間違いをしてトラウマになってしまう事例が全国各地で頻発して問題となった。しかしそれは次作の「冒険の書の悲劇」の序章に過ぎなかったのである・・・。
「復活の呪文」の書き写しもそうであるが、全体的にゲームの難易度が高く、俗に「マゾゲー」と言われている。これはエニックスの「子供に厳しさを教える」という方針の産物であったが、さすがにやりすぎだったとの声が多く、リメイク作品であるSFC版等では難易度が下がっている。ただしMSX版のみ、オリジナルのFC版よりさらに高い難易度が設定された。(モンスターの項目で説明しているが、凄まじい守備力と攻撃力をもったキラーマシンが4体まとめて出てくることがある)そのため、当時は多かったMSXユーザーの暴動が起こるのではと予想されたが、サービスで付けたムーンブルク女王の「あぶない水着画像」がユーザーが溜飲を下げたようで、暴動は起こらなかった。
ストーリー[編集]
前作でロトの勇者が竜王からアレフガルドを救って100年。大神官ハーゴンが邪神シドーを復活させて世界を滅ぼそうとしていた。
旅立ち[編集]
ある日、ローレシアの城に傷ついた1人の兵士が辿り着いた。ムーンブルクがハーゴン軍団により滅ぼされたことを告げると、兵士は息絶え、ただの屍になった。なぜローレシアより近いサマルトリアに行かなかったのか(それで助かったのに)。恐らく、それだけサマルトリアが信用できなかったのだろう。何しろあそこは王子がアレだから。
ローレシアの王様は伝統に則り、「伝説の勇者ロトの血を引きし者よ!」(自分もロトの血を引いているので本当は自分も討伐に行く使命があるのは置いといて)、王子をおだてて少ない餞別を渡し、ハーゴン討伐を命じた。ロトの家系に伝わる勇者旅立ちの儀式である。草原にほっぽり出されたローレシアの王子はしぶしぶ立ち上がり、まず同じロトの血を引きしサマルトリアの王子とムーンブルクの王女を見つけることにした。
サマル王子探して[編集]
後世に名高い「ローレシア王子とサマルトリア王子との追いかけっこ」はこのときである。サマルトリア王子は常にローレシア王子より一足速く行動し、ローレシア王子がそこに辿り着いたときはいつも彼が去った後であった。四方八方巡ってさんざん探し回ったあげく、リリザの町で「いやー さがしましたよ」とヘラヘラ笑ってるサマルトリア王子を見つけたとき、ローレシア王子は軽く殺意を抱いたという。とにもかくにもロトの子孫が2人揃った。
ムーンブルク王女[編集]
2人は洞窟を抜けて南下し、犬嫌いのローレシア王子がムーンペタの町でやたら引っ付いてくる子犬を蹴っ飛ばしたりしながら、「ドラゴンの角」双子の塔を目指すが、祠で老人がとうせんぼして通れない。ここで記事の都合により突然ローレシア王子に神の啓示があり、啓示の通り「ラーの鏡」を使ってムーンブルク王女を犬の姿から人間に戻して仲間に加えた。「はじめまして」と挨拶するローレシア王子に、人間の姿に戻ったムーンブルク王女は殺意を覚えたという。
紋章を探して[編集]
双子の塔を超えた3人は船を手に入れ、大海原に出る。ハーゴンの城に辿り着くための5つの紋章を探す旅が始まった。3人は、グレムリンに惨殺されたり、ベビルに惨殺されたり、キラータイガーに惨殺されたりしながら紋章を集める。
遥かなるロンダルキア[編集]
長い冒険の末、3人はついにハーゴン城のあるロンダルキアへと続く洞窟に入った。ここでの困難は筆舌に尽くしがたいものであった。死にもの狂いで何とか長い洞窟を抜けた3人の目に飛び込んだのは、美しい白い雪原と、白い3匹の悪魔だった。
「祠に着くまでがロンダルキア攻略です」はこのときのサマルトリア王子の名言である。
死闘 ハーゴン城[編集]
何とかハーゴン城に辿り着いた3人を待ち受けていたのはアトラス、バズズ、ベリアルの三悪魔だった。ローレシア王子は稲妻の剣(破壊のはやぶさの剣[1]説あり)で必死に攻撃を加えた。ムーンブルク王女は必死にべホマで援護した。サマルトリア王子は力の盾を上げ下げして必死の応援をした。2人の活躍があって、三悪魔を倒すことに成功した。
三悪魔の後ろに控えていたハーゴンは、弱かったためすぐに倒すことができた。しかし、ハーゴンは死ぬ前に邪神シドーを復活させてしまう。シドーの猛烈な炎と反則技のべホマ回復の前に全滅寸前となった3人は、ルーラを使ってデルコンダル城に退避した。
急襲デルコンダル 最後の決戦[編集]
ここでまさかの事態が起こった。退避した3人を追って、デルコンダル城にシドーが襲来したのだ![2]まるでドラゴンボールの魔人ブウのような執念である。平和なデルコンダルが突如、最終決戦の舞台となった。
3人はシドーを倒せるのか!? 伝説の戦士「もょもと」とは!? 次回に続いたらいいな。
登場人物[編集]
- ローレシア王子
- 優秀な戦士。ガチムチの主人公。戦士として徹底的に鍛錬したため、攻撃における大黒柱となっている。戦士系でありながら素早さはとてつもないスピードで上がっていく。ゲーム中すべての武器防具を装備できる。ある呪文を唱えることで伝説の戦士「もょもと」になれる。[3]
- サマルトリア王子
- 問題児。大体すぐ死ぬ。隙あらば棺桶に飛び込んでいく姿は「戦士の格好をしたニート」とも比喩される。本名はトンヌラなど諸説あり。後世における典型的な魔法戦士。特技は力の盾スクワット。言ってしまうと、器用貧乏。バズズとのメガンテの打ち合いは「W汚い花火」として有名である。
- ムーンブルク王女
- ハーゴンに犬の姿にされていた王女。呪文のエキスパートで、最大の回復魔法べホマを操り、パーティーには欠かせない存在である。
- 竜王のひ孫
- 竜王の洞窟最下層にいる、前作のラスボス竜王のひ孫。口癖は「俺が本気を出せばハーゴンを倒せる」。つまり典型的な自宅警備員である。
- ルビス
- 海底の祠にいる、アレフガルドの創造主。入場曲は「ピ♪ポ♪パ♪ポ♪」。 歴代王様以上に他人任せであるにもかかわらず崇められている。つまりやっぱり自宅警備員である。
主なモンスター[編集]
ボスモンスター[編集]
- アトラス
- 脅威の集中打撃を行う巨人。サマルトリア王子が力の盾スクワットで応戦する場面は、彼の最大の魅せ場である。
- バズズ
- メガンテとザラキを操る、死を司る悪魔。死の神タナトスも彼には一目置いているという。
- ベリアル
- 三悪魔のトリを務める大悪魔。力はアトラスに、呪文はバズズに劣るが、トータルで能力が高いために強い、が結局は器用貧乏という説も。そもそも悪霊の神々とは、この三悪魔の事であり、パーティーを組めばハーゴンどころかシドーも楽勝なのだが、自分たちが真のラスボスだということに気が付いていない。
- ハーゴン
- 邪神シドー復活を企む大神官。自己中で、自分の知名度を気にしており、自分を知らない人を許せない。そのくせ会話してたのに戦闘が始まると「こちらに気付いていない」ことがあるおとぼけ屋である。三悪魔が手を組むのをロトの子孫以上に恐れている。
- シドー
- ラスボスでHP全回復のべホマを使うというRPGにおける禁じ手を使った色んな意味で最凶の邪神。パルプンテの「世にも恐ろしいもの」に一度は逃げ出すも、覚悟を決めて帰ってくる。絶対に負けられない戦いがそこにある。
凶悪指定種のモンスター[編集]
- マンドリル
- ムーンペタ周辺に生息する怪力大猿。右の画像が全てを物語っている。先祖の「あばれザル」は3頭が限界だったが、その失敗を生かして4頭で群れをなせるようになった。
- ゴーゴンヘッド
- 守備力が高く、攻撃呪文もほとんど効かない。さらにマヌーサ、ラリホー、スクルト、ルカナンを使ってきてどうにもならなくなる。このモンスターを考えた人は最悪の性格の持ち主である。
- うみうし
- 見た目は弱そうだが海の悪魔。攻撃後に眠らせたり毒にさせたり、甘い息で眠らせたり痛恨の一撃でこちらを屠ってくる。しかも仲間を呼びまくる。どうしろと。
- ドラゴンフライ
- ボーーッ ドカッ ドカッ ドカッ
- ボーーッ ドカッ ドカッ ドカッ
- ボーーッ ドカッ ドカッ ドカッ
- ボーーッ ドカッ ドカッ
- ボーーッ ドカッ
- ドラゴン
- こちらもドラゴンフライ同様、凶悪である。100年前はアレフガルド大陸に上位種が存在したが、ロトの勇者による乱獲で絶滅し、自身も生息地が格段に縮小している。しかし戦闘中は集団で出てくるので超危険。
- キラータイガー
- ピンク色の猫科動物。つまりピンク・パンサー・・・なんて生易しいものじゃない攻撃力を持つ。これを捕獲したデルコンダル城の兵士は強すぎる。
- 悪魔の目玉、ダークアイ
- HPを削るより、同じだけMPを削った方が効果的、ということに気付いた恐るべき知能の持ち主。
- パペットマン
- 上に同じく、恐るべき知能の持ち主。守備力を上げて長期戦に持ち込むことでさらに多くのMPを削ることに成功した。
- はぐれメタル
- こいつのどこが凶悪指定種なんだ!?と言われても仕方が無いが、実はこの作品のはぐれメタルに限ってHPが高くなおかつ好戦的であり、ベギラマやマヌーサを使う難敵である。その上経験値も1050と少なくドロップアイテムも幸せの靴ではなく復活の玉という微妙な代物に留まる。ともあれ、他の作品と同じ感覚で戦うと凶悪指定種と読んで差し支えないモンスターの域に達するという訳だ。守備力は今作最大の255。
- ハーゴンの騎士
- 攻撃力が異常に高いうえに2回攻撃をしてくる。しかも痛恨の一撃持ち。更にルカナンで守備力を下げてくる。回避率も高く、こちらの通常攻撃を避けまくる。
- キラーマシーン
- はぐれメタルに次ぐ守備力に、バカ高い攻撃力をもち、2回攻撃する。もちろん痛恨の一撃持ち。残念ながら本作では起き上がったりこちらを見たりはしない。守備力は230。
- ブリザード
- 凶悪呪文ザラキを唱えてくる。絶命させる0.5秒前に画面の色を赤色に変えて「覚悟の0.5秒間」を与えてくれる(ファミコン版のみ)。HP満タンのパーティーが僅か3秒で全滅する様は、命の儚さを教えてくれる。先祖にホロゴーストが、いとこにブリザードマン、ホークブリザード、そして出来そこないの息子クリフトがいる。
- デビルロード
- パーティーを問答無用で全滅させるメガンテ(ザラキと違い使われたら回避不能)を唱える悪魔。それゆえに前世が爆弾岩なのでは、との説もある。ブリザードのザラキとデビルロードのメガンテを掻い潜ってハーゴン城を目指す様は、完全なる運ゲーである。
- あくましんかん
- 魔法系のくせにバカでかい攻撃力に加え、呪文はザオリクとイオナズンというサマルとムーンを足して良いとこ摘みしたような奴。
MSX版[編集]
DQ2にはMSX版(以下、MSX1)とMSX2版が販売されていたことがあり、当時でもPCでDQ2をプレイすることが出来た。冒頭にもある通り「あぶないみずぎ」の真っ青な画像が表示されることでも有名である。[4]
- 内容
- あくましんかん4体やキラーマシン3体など、平気な顔をして終盤の強敵が一度に大量に出てくる。当然こんな組み合わせはFC版にすら無い。
- 全体的にカクカクでMSX1に関してはキャラの背景が黒い。MSX2はFCに近づいている模様。
- 音程がオリジナル版より低い(一部マニアからは支持されている)。
この通り、場合によってはプレイヤー自体のレベルの高さを要求される非常に難易度の高いゲームとなっている。元々FC版がアレだったことから当時MSX版を手にしたプレイヤー達は戦慄したことに違いない。
- 利点
ここまで良い所なしのように思われるが、MSXならではの戦闘面での嬉しい特典もついている。
ムーンブルク王女があぶないみずぎを装備すると、その姿を見たいかなる者、ついにはラスボスでさえ一定確率で停止するというチートぶりを発揮する。どのような過程で停止したかは、…うん、察しろ。
ありえない難易度と共に、ありえない防具も存在していた。
なお、MSX2版にはあぶないみずぎ画像演出は存在しない。手に入れる際は十分注意されるよう・・・
脚注[編集]
関連項目[編集]
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このドラゴンクエストII 悪霊の神々は任天堂からの反発が厳しく、このままではスクウェアとエニックスが合併することによってエニックスサイドが任天堂に嫌われてしまう可能性があります。デジキューブ代表として土下座してくださる度量のある方をお待ちしております。 (Portal:スタブ) |
ナンバリング : | 1 - 2 - 3 - 4 - 5 - 6 - 7 - 8 - 9 - 10 - 11 - 12 |
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モンスターズ : | 1 - 2 - CH - JC - JC2 |
人物 : | クリフト - もょもと - サマルトリアの王子 - モンスターじいさん - 勇者 - 遊び人 |
モンスター : | スライム - はぐれメタル - ばくだんいわ - メガザルロック |
職業 : | 勇者 - 魔法使い - 商人 - 遊び人 - 海賊 - ゴッドハンド |
呪文 : | イオ - ザオラル - パルプンテ - ぱふぱふ - ふっかつのじゅもん - メガンテ |
単語 : | ああああ - ドラクエ信者 - ぬわーーっ!! - キメラの翼 - ひのきのぼう - へんじがない - 冒険の書 - ダーマ神殿 - ここで装備していくかい? |
クリエイター : | スクウェア・エニックス - すぎやまこういち - 鳥山明 |
関連作品 : | ダイの大冒険 - ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 |