大深度地下

出典: へっぽこ実験ウィキ『八百科事典(アンサイクロペディア)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
Wikipedia
ユーモア欠落症患者のために、ウィキペディア専門家気取りたちが「大深度地下」の項目を執筆しています。

大深度地下(だいしんどちか)とは、2001年に施行された「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」に基づく地下利用の新概念。

概要[編集]

大深度地下のイメージ。この図では、地下深くを通る都心直結線の建設に当たって、地権者の同意は必要ない

この法律の趣旨は分かりやすい。地面のすぐ下の地下は、その土地の所有者が独占的に自由に使うことができる。だから戸建て住宅に地下室を作ったり、デパートデパ地下を作ったりできる。しかし、ずっと地下深くについては、土地の所有権を認めず、地権者以外も自由に使ってよいとしたのが本法律である。

実際問題、デパートが地下20階まで売り場を設けるといったようなことは起きないので、さしたる影響はないと考えられていた。しかし実際には、いろいろな関係者が都合よく本法律を適用している。

例1:東京外かく環状道路[編集]

東京都大田区から埼玉県を経て千葉県市川市までを結ぶ道路である。この道路の工事が着工した時点では、すでに巨大都市東京ができあがっており、地上には高層ビルが林立していた。また、所有者が比較的大人しい土地の地下には縦横無尽に高速道路地下鉄が走っていた。後発の東京外かく環状道路を物理的に通せる場所は、地権者がうるさい土地しか残っていなかったのである。

そこで国土交通省石原慎太郎東京都知事は、大深度地下を宣言し、トンネルを深く掘る代わりに、地権者の主張を一切聞かずに工事を進める作戦に出たのである。

深い場所を掘り進むことから、技術的困難とそれに伴うコスト高も懸念されたが、国や都の役人は、真実をよく知っていた。

Quote1.png 日本において、用地買収が失敗して断念したり完成が何十年も遅れた道路や鉄道は数多いが、技術的困難によって完成に何十年もかかった道路や鉄道は、新潟県の鍋立山トンネルただ一つしかない。 Quote2.png

かくして、用地買収に手間もコストがかからなかったこの工事はとんとん拍子に進み、地権者を無視した「大深度地下作戦」は見事に大成功を収めたのである。

例2:中央新幹線[編集]

建設が進むリニア中央新幹線も、大深度地下が使われる。東京湾外かく環状道路からさらに後発の中央新幹線の建設に際しては、用地買収可能な土地がさらに少なくなっていたので、大深度地下を使うことは当然のなりゆきであった。

どのみち難工事が予想される中央構造線赤石山脈を穿つことに比べれば、都心部の地下深くを掘り進むことなど訳はない。そのため、東京圏、名古屋圏、大阪圏はほとんど全てを大深度地下作戦で掘り進め、用地買収何それ美味しいの状態で工事を進めている。

中央新幹線のルート全図。赤丸で示したのが問題の箇所

そして真骨頂は静岡県との応酬である。静岡県は、大井川源流部の水量減少や南アルプスの生態系への影響を危惧し、工事着工に反対。川勝平太知事ののらりくらりとした作戦に、JR東海も参ってしまっている。

中央新幹線という国家的プロジェクトが静岡県の反対で破綻すれば、国としても一大事である。しかし、そのわりに国土交通省は焦っていない。なぜなら……その通りである。中央新幹線は、静岡県では地下約700mという大深度地下を通るからに他ならない。最後は大深度地下宣言により、静岡県知事の反対を無効化できることを知っているのだ。

例3:放射性廃棄物の処分[編集]

放射性廃棄物。これもまた厄介な問題である。東日本大震災の後、各自治体が震災ごみ、とりわけ福島県のごみの引き受けに難色を示したことは記憶に新しい。廃炉作業が行われている東京電力福島第一原子力発電所汚染水も、引き取り手はなく、やむなくに放出している状況である。ましてや、高レベル放射性廃棄物など、誰が引き取るのか。これまで、過疎自治体の景気浮揚策として、また交付金目当てに、放射性廃棄物の地層処分の受け入れ検討を始める自治体もいくつかあったが、全て頓挫している。

しかし、地下深くに埋めるのに、そもそも自治体の同意は基本的に必要ない。誰でも自由に使える大深度地下だからだ。

注意すべきは、大深度地下に埋めるための地上施設の建設には、地権者や自治体の同意が必要であることだ。そのため、地上から真っ直ぐ下に掘り進んだ場所に放射性廃棄物を処理しようとすれば、地権者や自治体に反対される。ゆえに今は、適当な場所から真っ直ぐ下に掘り進み、大深度地下に到達してから横方向にトンネルを掘って、適当な場所に放射性廃棄物を放置してくる方法が一般的になっている。いつの間にか、あなたの住む家の真下の地下深くにも高レベル放射性廃棄物が存在している……かもしれない。

例4:東シナ海[編集]

大深度地下の考え方は、日本だけに適用されるものではない。この何とも都合の良い考え方は、当然、お隣の中国でも使われている。

大深度地下なら、天然ガス開発も原潜の航行もやりたい放題

例えば東シナ海には、天然ガスなどの資源が豊富である。日中中間線よりも中国側にも、日本側にも資源は眠っており、資源の領有権を巡って攻防が続く。しかし中国は大深度地下に目を付けた。中国側にガス井を建設し、大深度地下に至ったところで日本側に向けて横坑を掘って、日本側に眠る資源を吸い取ってしまおう。……もちろん、大深度地下なのだから、日本側の同意なくこれが可能なのである。

また、沖縄県近海の日本領海内では、中国の原子力潜水艦が神出鬼没に航行しているが、これも問題ない。大深度地下は海にも適用され、深海であれば領海内にも同意なく自由に出入りできるからである。原子力潜水艦が大国で重要視されるのは、核戦力の確保ではなく、大深度地下による領海内への接近が可能だからだったわけである。