大砲とスタンプ

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大砲とスタンプ(たいほうとすたんぷ)は、速水螺旋人による漫画である。講談社から刊行されている雑誌「モーニング・ツー」にて2011年1月22日発刊の42号から隔号形式で掲載したのち連載に繰り上がり、2016年2月の時点で単行本を5巻上梓している。

なお、この物語は兵士が畑で収穫できる、もしくは、もはや物量作戦とすら言いたくないで有名なソビエト連邦の軍隊について触れているため、東側の軍隊の情報に餓えているごくごく少数の人々にとっては大変に興味深い作品である。もっとも、あくまでも架空の世界についての話である。

概要[編集]

この物語は、数ある戦記漫画史上初めて兵站を主軸にして語る作品である。そのため、前漢の初代皇帝劉邦配下で最大の功臣とされる蕭何ベトナム戦争において米国を敗走せしめたヴォー・グエン・ザップ将軍とホーチミン・ルートの偉大性、さらにはローマ帝国の異常なる輸送能力の根本となったローマ街道に耐えがたき美しさを感じるごくごく少数の人間にとって、待ちに待った作品である。

まぁ、インパール作戦における牟田口廉也に怒りと絶望を覚える人間も対象に含むことはできる。それぐらい、兵站や後方支援といった要素は、戦争を大きく左右する。

もっとも、兵站を主とする以上、内容がマニアックな方面に特化していくのは仕方なく、語られている内容は、ごく一般的な兵士の日常風景や後方支援体勢の構築が主である。なお、1話につき1つだけ作者の趣味であるびっくり兵器を掲載する遊びがあり、民明書房と同じ視点で作品を楽しむことができる。あわせて、作品の肝にあたる重要な表現であるため、どこぞの空気読めないウィキなんとかと違い、アンサイクロペディアでは絶対に説明しない

ストーリー[編集]

大公国軍所属の女性少尉マルチナ・M・マヤコフスカヤは、黒海沿岸のロストフ・ナ・ドヌ・・・かもしれない都市にて、主に物資の補給や輸送など、軍隊における後方支援を担当する兵站軍に所属している。そこは別名、紙の軍隊と呼ばれ、軍内部のヒエラルキーの中では最下層。犬より下。もっとも、どこぞの日本軍でも、兵站担当を軍と呼ぶならば、蝶々トンボのうちという戯れ歌が存在したように、どうしても命の危険が少ない後方での活動がメインとなる職場は、軍内部では白眼視される運命にある。

けれども、そんな部署だからこそ女性も積極的に登用できるという利点があり、また、女性でありながら士官という軍隊内部では神様に等しい地位を与えられることも事実である。そのため、第1話にして彼女は現在の所属であるロストフ・ド・ナヌみたいな都市から、黒海のはるか向こうに存在する、ドニプロ川流域にあるドニプロゼルジーンシク市・・・みたいなアゲゾコ市にあるアゲゾコ要塞へ行くことになる(なお、現実に存在する2つの都市については、あくまでも、作中においてその場所らしきところに印がついていたためピックアップしたものである)。これは、士官学校上がりで二十歳そこそこの女性にとってはエリートコース以外の何物でもない。

ただし、アゲゾコ市は2年前から続く大公国軍&帝国軍Vs共和国軍の戦争において占領された地域であり、住民感情が定まらない中でテロ行為が頻発しており、あわせて、そこかしこの軍隊でよーく見られるように軍内部も汚職不正にまみれ、それにあわせるように前線でも嫌戦感情がちらほらと散見されている。もっとも、まだ開戦から2年しか経っていないため、特に戦線が混乱するといった話は出ていない。そんな状況の中に、クソマジメ一辺倒のマルチナ少尉が投げ込まれたことから、組織内に徐々に変化が現れることになる。

・・・徐々に?違うな。どう考えても、劇薬もしくは劇物を投入したレベルで一気に変化が訪れることになる。

なお、作品内には、数多くのこれはない、これはどうかと思われる描写があるけれど、全て「でも、ほら、ソ連軍だから」の一言で済ませられるものである。そもそも、日本プロイセンを常識と考えると、世界中の軍隊がおかしくなってしまう。

登場人物[編集]

この項目では、ネタバレを最低限に抑える形で登場人物を記載する。

マルチナ・M・マヤコフスカヤ
責任問題ですよ?」
この物語の主人公。アゲゾコ要塞補給廠管理部第二中隊所属。階級は物語の始まりは少尉で、後に中尉に任命される。一般家庭に生まれ、いい加減なことが嫌いという理由で、士官学校に入学するほどの堅物。ただし、学費無料でもあったことも大きな原因であるが、いかんせん、戦争直前だったんだから親も止めりゃいいのに。もっとも、学校の同期の中で最も早くに前線に近い部署へと送られたことから、かなりの能力を保持しているものと思われる。もちろん、デスクワークにおいてのみ。戦闘能力については、言わずもがな
その性格はクソマジメにして義理堅く、さらに残念なことに調子こきの一面も持つ。いわゆる一つの委員長タイプ。かもしれない。確かに、メガネはつけている。なお、新任早々に兵站軍内部の汚職を告発し中隊の上司の命を危機にさらした後、さらにその上であるアゲゾコ要塞の上司を告発することで中隊の上司の命だけ救う。その結果、赴任早々の若造にしては奇跡的、ありえないレベルで隊内部の尊敬及び要塞内部での悪名を勝ち得ている。訂正、確実に委員長タイプ、ではない
その結果、要塞内部でついたあだ名が「突撃タイプライター」。まさに、言いえて妙。
また、女性主人公でありながら平気でタバコも愛用、出勤時にはスクーターで移動し、トラックも普通に運転するなど、士官として当たり前な能力をすでに保持している。
でも、兵士としては絶対に必須である拳銃の取り扱いについて失念していた。
安全装置を外さなかった。
弾込めも忘れていた。
安全装置を外し、弾も込めたのに、撃とうとした相手が、戦車だった。
このように、本来命の危険などあるわけがない兵站軍にありながら、やけに危機一髪の状況に見舞われている点については、本人の責任が40、運の悪さが60といったところである。
ちなみに、好きな食べ物懐中汁粉。むしろ、好きを通り越して愛してさえいる。そのわりににも強く、ロシアの女性がある一定の年齢に達すると急激に膨張する理由の一端を垣間見ることができる。
実は貧乳である。
巻数が進むにつれ徐々に兵站部に毒されていき、アゲゾコ市に巣くうテロリストたちと交渉したり、廃棄寸前の弾薬を敵軍に横流ししたり、要塞の地下に隠された遺跡にあった埋蔵品の略奪に加担したり、任務という話であれば絶壁をさらしつつバニーガール姿になることもいとわなくなるなど、ある意味、精神的な成長を遂げることになる。
けれども、やっぱり基本はカタブツである。
スタンプ
この物語のマスコット。第1話において、アゲゾコ市へ輸送される医薬品の中に、なぜか潜り込んでいた生物。
この作品内ではイタチモドキと呼ばれているが、どう見ても長猫にしか見えない。
その形態は複雑怪奇で、まず足は八本、毛はフサフサ。耳は長く、豹柄で狐のような毛並みを持ち、その上、尻尾の先はタヌキのように黒いなど、詰まるところ、なんの生物だかさっぱりわかんない。
さらに、冬になると毛の色が白く変わるのだけれど、尾の先は黒いまま。それ保護色ちゃうやんというツッコミが可能だけど気にしない。
ただし、作中において主人公の命を何度も救っており、それなりに愛されている。名前の由来は、主人公が中隊に赴任した直後にインクのビンをこかして足跡を書類にペタペタとつけたことからスタンプと呼ばれるようになる。もっとも、某●連軍らしく、別に問題にされることもなく、その後も主人公のデスクワークの合間を縫ってペタペタと。
ただ、第1話で主人公の顔面に飛びついた際に、股間を押し付けた件については問題にされており、海のモクズ一歩手前まで行っている。
多分、医薬品におしっこをかけた後だったのがまずかったのだろう。
キリール・K・キリュシキン
マルチナの上司にして第二中隊副官。階級は大尉。突撃タイプライターの暴走に毎度毎度手を焼く苦労人。
生まれが超有名な軍人一家で、父親が上級大将でその上祖父が元帥。ただし、そのほかの一族は山賊だの強盗だの気狂いだの殺し屋だの。という時点で、本人が自ら志願して兵站軍に行くのも仕方ない。無論、明らかに家族の中で浮いた存在ではあるけれども。実際、軍才よりも文才にすぐれており、ひそかにSF雑誌に作品を投稿。
もっとも、職場内ではバレッバレ。ペンネームまで知れ渡っている。
その後、敵軍の捕虜にまでバレッバレだということも判明。さらには、権威ある賞を受賞する時点でオイ・コラ・ペンネーム
なお、こういった話の裏には、戦時中にそういった書物を発行する際に、彼のような軍の上層部とかかわりを持つような人間を味方につけるべきという編集部の考えがあるものと思われるため、特に問題ではない。
軍紀については聞くな。
ボリスラフ・B・ボイコ
歴戦の勇士。階級は曹長。以前は陸軍に所属しており最前線で共和国軍とやりあっていた。古参兵たちの間では「不死身のボイコ」として知られており、最終的に3つの勲章をもらった後、アーネチカとともにキリールが兵站軍に引き抜いた、と思われる人物。
既婚、その上、子持ち。しかも、いかつい風貌に似合わぬ若い美人の奥さんであることが3巻でばれる。なお、その戦闘力はほとんど衰えておらず、面会に来た奥さんを手荒に扱った憲兵に激怒。右フックをかまして営倉入りするレベルである。そのほかにも、作中においても数多くの死地や暴力沙汰を切り抜けている。
単行本4巻の表紙裏では・・・ゲフンゲフン
アーネチカ・A・アルセニエワ
ボイコとともに兵站軍の暴力を司る女性。階級は兵長。ボイコ曹長とたった2人で陸海軍の兵士が乱闘する酒場から、副官と新任の少尉の脱出を援護している。あわせて、その際に外で待つのがいやだからと、空軍の兵士を引っ掛けてベッドで暖を取るレベルのツワモノである。ただし、兵站軍でありながら字が読めないため、いつもデスクワークでは人の世話になっている。
左腕にスペードのエースのタトゥーが入っており、一応は幸運の印ではあるものの、その裏には死の前兆という刹那的な意味も含まれている。
実際、好色でなおかつ好戦的、その上で宵越しの銭は持たない主義で、あまりの口の悪さから、さほど常識人とは言えないボイコですらゲンコツで一発殴らざるをえないレベルである。
まぁ、本人はほとんど意味が分からない共和国語で「ウンコな今日は雌犬にチンコ突っ込むのがお似合いのおッ勃ち天気だ」などとしゃべっただけなのだけど、それを翻訳して中尉殿に伝えるボイコも悪いと言えば悪い。
中隊長
アゲゾコ要塞兵站軍第二管理部の責任者。大事なときにいつもいない。てゆうか、作中に出てこない。2巻以降は存在そのものも抹消されているレベルである。
その後、単行本6巻でようやく初登場。長引く戦争の結果、精神的に追い詰められて酒に逃げる人物という、本作では珍しい戦場の空気を忌避するキャラクターが割り当てられる。
もっとも、初登場シーンがマルチナに対するセクハラなのが作者の作者たるゆえんである。
コースチャ・K・キリュシキン
キリールの異母弟。マルチナが中尉に昇進した際に補給廠管理部第二中隊に配属される。階級は少尉。マルチナに引き続いて兵站部に投げ込まれたトラブルメーカー。
なお、その実力については、赴任の際に兄であるキリールが第二中隊の面々に「悪い知らせ」として彼の赴任を報告している段階でだいたい分かる。しかも本人の目の前で言う時点でそれはそれは。
その上で、赴任直後に紙の軍隊である兵站部を率いてテロリスト掃討を実行しようとして、本人曰く「市街地を石器時代」にしようとするんだからたまらない。すぐさまボイコにぶん殴られるのも致し方ない。
その後も後先を考えずに事態を悪化させる行動を取り続けており、兵站部内でどんどん扱いも雑になっていくかわいそうな子。
キリール曰く。重度の胸の病。正確に言うと、勲章が欲しくて欲しくてたまらない病で、本当は陸海軍が希望だったのに実母の手回しで兄の下へ送られることになる。もっとも、その判断は母としても軍上層部関係者としても正しい。なんせ、確実に戦場における最も危険な存在である、「無能な働き者」に合致しているんだから。
ちなみに、コースチャという名前はロシアでは「コンスタンティン」という名前の愛称にあたるため、コンスタンティン・K・キリュシキンが正確な名前になるものと思われる。
スィナン・カライブラヒム
2重スパイ。アゲゾコ市出身の憲兵中尉。アゲゾコが大公国に占領された際に祖国から寝返ったと見せかけて、実はアゲゾコの情報を共和国へと流している、と見せかけて、テロリスト側の情報も大公国へ流すことで、双方で自分の価値を高めている卑劣漢。
正々堂々、味方を撃ち殺して、女を殴り、テロまでもこなす中々の悪役。しかも、憲兵という立場で住民への圧制にも加担し、共和国出身者でありながら大公国の女性とも付き合うなど、まさにスパイとして一流の活動をこなしている。
なお、この物語で最も有能な人物でもある。
ラドワンスカ
アゲゾコ要塞に駐留する帝国軍の参謀総長を勤める女傑。階級は大佐。この物語に出てくる人物の中でもトップクラスの能力を有する。
物語の当初はさほど有能さを表す描写は無かったものの、要塞に新たに赴任してきた同盟国の一士官に過ぎないマルチナに目をかけ、突撃タイプライターと称された彼女の行動力も笑って許すほどの心の広さを持ち、単行本2巻のカバー裏では、ゲフンゲフン
もっとも、それぐらい大公国の兵站がまずかったため、優秀な事務方を欲していたということでもある。
そのため、軍トップから底辺の一兵卒まで少々アレな大公国軍は、マルチナの赴任後に共和国軍の猛反撃にさらされ続け、単行本2巻の時点で一気に戦線が後退。結局、彼女が指揮する帝国軍が主導権を握ることになり、その結果、兵站軍は帝国軍の兵站まで押し付けられてしまう。
これを自業自得という。
なお、同盟国とはいえ有能な上司には代わらないめ、気楽にやりたいキリールなどは彼女を北の海に生息する巨大生物呼ばわりしている。
ボイコと同じく既婚で子持ち。しかも、自らの荘園を持つほどの名家に属している。

作中における基本的な情報[編集]

この作品は、あくまでも架空戦記であり、見たことのある地図に見たことのあるようなないような名前の人々が、戦争と呼ばれる一つの社会生活の中で、七転八倒右往左往する様子を眺める物語である。しかし、元ネタであるソ連の知識や、作中に見られるいくつかの言葉についての予備知識を仕入れることで、なおさら作品を楽しめるのも確かである。そのため、この項目ではそれらについてあくまでも邪魔にならない程度に説明する。

ソ連軍の知識[編集]

Wikipedia
ユーモア欠落症患者のために、ウィキペディア専門家気取りたちが「赤軍」の項目を執筆しています。
Wikipedia
ユーモア欠落症患者のために、ウィキペディア専門家気取りたちが「ソ連軍」の項目を執筆しています。

この件については、心の底からウィキペディアにおける該当ページ及び関連ページを参照ください。正直、説明したくないです。

なんせ、いくら第二次世界大戦の時代だったとはいえ、人口2億人の国の中に軍人が2000万人いる段階で、何かがおかしい。そのうち、半数が死んだとされる件については、もはやおかしいと思うことを放棄したくなるレベルである。実際、ウィキペディアの関連ページをたどればたどるほど、どうしようもない現実が襲い掛かってくる。

とりあえず、「だって、ほら、ソ連軍だから」という説明は、この作品内においてどんなに矛盾が生んだとしても、その上を行く。軽く行く。

国家[編集]

この作品には3つの国家が登場している。まず、主人公が所属する大公国。首都はMOSKVA。次に、大公国と同盟を結んでいる帝国。首都はKRAKOW。最後に、敵対している共和国。首都はTSARGRAD。まあ、ぶっちゃけ、ソ連とその首都のモスクワポーランドが王国だった時代、首都だったクラコフ、そしてオスマン・トルコとその首都イスタンブールが現在、地名として登場している。

ちなみに、TASRGRADとは、ツァーリグラードと読み、皇帝の町という意味である。これは、ロシアが東ローマ帝国の後継者であるとの主張により、ロシア語(スラブ言語)ではその首都について、古来からの呼び名をそのまま使用し続けている。実際の歴史では、東ローマ帝国の首都であるコンスタンチノープルはオスマン・トルコに征服された直後にイスタンブールに改名されている。

政治体制[編集]

この物語は、一応は石油文明真っ盛りの時代で、電子機器なども普通に使われ、ソニー製と見られるトランジスタラジオまで登場。さらには昔懐かしき電子頭脳という形でコンピューターも存在することから、技術水準で換算するなら1960年代頃の話だと思われる。しかし、帝国や大公国といった表記のほか、西方には爆撃機を輸出するような王国まで存在しているため、政治制度に関しては、もろに18世紀。もしも、ナポレオン以前の欧州に近代兵器と近代的な商工業が生まれていたら、という考えで世界設定が為されているという感覚が近い、と思われる。

平たく言えば、超大規模な戦国自衛隊である。もしくは、シヴィライゼーションシリーズにおける超特化型プレイ。なお、一応、選挙制度は存在し議会も存在しているため、専制政治や封建制はとっくに終わったものと思われ、単行本3巻ではついにというかようやくというか、共産主義が登場。いろいろと陰謀めいた動きを見せることになる。

廃兵院[編集]

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ユーモア欠落症患者のために、ウィキペディア専門家気取りたちが「廃兵院」の項目を執筆しています。

普通の戦争漫画には滅多に出てこない単語。ようは、傷痍軍人のために作られた国家が運営する施設であるのだけれど、なぜだか、その、世界中の軍隊がまったくそういった施設を作っていないか、もしくは国が運営してないかどうだか、とにかく日本語フランス語以外のウィキペディアでは記事が見当たらないという困った話になる。そのため、普段からロシア語で語られる物語の中に、急にアンヴァリッドという仏語が出てくるという奇妙さもさることながら、それはすなわち、この物語にフランスに該当する国家が存在することも示唆している。

鹵獲兵器[編集]

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ユーモア欠落症患者のために、ウィキペディア専門家気取りたちが「鹵獲」の項目を執筆しています。

戦争によくある光景として、敵軍の優秀な兵器とはすなわち自軍でも積極的に使いたくなる兵器である、という話があり、太古の昔より最前線ほど兵器という文化が激しく交流する場所は存在しない。この作品でもしっかりとその描写はなされており、大公国軍の軍靴や戦車、共和国軍の水陸両用車両など大小さまざまな兵器や物資が実際に相手側に横流しされたり、戦場で鹵獲(ろかく)され、最終的に自軍に向けて使用されている。実際、命のやり取りをする最前線ではそういったほんのわずかな、もしくは莫大な性能の差が戦果の差に直結する。その結果、兵器の運用に関する文化もまた成長していき、どこぞの新兵器大好きなアメリカが起こしたベトナム戦争のように、最新鋭のはずの自動小銃M-16よりも東側の傑作自動小銃AK-47のほうがアメリカ軍にも南ベトナム軍にも流行ることとなり、そこで初めて米軍が兵器の運用方法、すなわち故障しにくさ及び整備の手軽さ、頑丈さなどについて考え始める。単に威力が高いだけでは信頼されないのが、最前線における兵器というものの面白さであり、それだけ戦場の兵士達が生き残りたいという証でもある。と同時に、基本、相手の兵器を倒して奪うという点で鹵獲兵器というものが、実質タダであり、最高の戦利品でもある点も大きい。

そのため、戦史において、兵器や物資というものは、基本、死体からかっぱらったり基地を急襲して総取りしたり、もしくは臨検と称して堂々と略奪するのは、それぐらい相手の持ち物を自由にできるということがおいしいという話であり、楽しいという話である。その上で使える兵器があるというのなら最高だ、という気もちは痛いほどよく分かる。実際、ベトナム戦争末期には南ベトナムに支援されたアメリカ軍の戦車やヘリがそのまま北ベトナムに鹵獲されることとなり、そのままカンボジア内戦中越戦争といった共産国同士の戦いで威力を発揮することとなる。

なお、こういった鹵獲兵器には大きな欠点があり、どうしても自軍における規格外の弾薬や自国で調達できない整備用の備品といったものが必要になる。それも、大量に。そのため、使える兵器でなおかつ、使う側の満足にも直結する鹵獲兵器には、どうしても、そういったものを取り扱う連中、いわゆる死の商人が必須となるため、しっかりとこの作品でも登場させている。もっとも、登場直後に因果応報となるのだけれども。

匪賊[編集]

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ユーモア欠落症患者のために、ウィキペディア専門家気取りたちが「匪賊」の項目を執筆しています。

占領地とは一般的にそれまで存在した治安維持機構が崩壊した状態であるため、必然的に犯罪が多発する。中でも、匪賊と呼ばれる盗賊集団は占領軍にとっては最悪の存在で、たいていの場合、都市部ではなく周辺地域に発生し、地元かもしくはその近辺を襲撃、略奪することで富と食料を民衆から奪い続ける。そして、必然的に難民が発生することとなり、結果、都市部でも治安を崩壊させる要因となる。実際、匪賊によって食えなくなった一般市民が、死ぬよりはマシと3秒で匪賊になるという分かりやすいシステムが歴史上どこの戦場およびその周辺地域でも存在しまくっている。

そのため、作中における兵站軍にとっても彼らは最悪の敵であるのだけれども、残念なことに歴史上、匪賊を明確に排除できる手段は逆らったら住民皆殺しシステムを採用したモンゴル以外存在しておらず、むしろ手軽に兵士を確保できる上、戦意は高く、簡単な兵器の扱いも分かり、何より安いという時点で、相手国にとって最高の存在である。このように、労少なくして敵国に治安維持や民心の慰撫ほか様々な高負担をかけられる大変に貴重な獅子身中の虫であるため、様々な謀略の対象の中でも特に匪賊は人気が高い。なんせ、某イスラム国ですら最初は盗賊集団の集まりだったわけで、そこに某大国が大規模に盛大に武器と資金をばら撒いた結果、当初の予想をはるかに超えて拡大。一国を揺るがすどころか周辺国を巻き込んで大騒ぎするレベルになるのだから恐ろしい。それぐらい、治安が崩壊した地域における匪賊という存在はとんでもない。

なお、その際たるものが中華人民共和国を建国した件については、特に気にしないものとする。あそこは、討匪行などという大ヒット曲を生み出すレベルで匪賊のメッカである。とりあえず、最終的に盗賊集団が治安を維持して民心を慰撫するようになり、外交交渉の席について経済活動を行うようになれば、それはまごうことなく国家である。

戦略村[編集]

戦略村とは、軍および政府が用意した土地に、占領地、もしくは治安が悪い地域の住民を強制的に移住させるための作戦、もしくはその移住地域の総称である。一般的に匪賊対策およびゲリラ対策として行われ、人を海と見立てるほうの人海戦術に対抗するためにベトナム戦争時にアメリカ軍が採用したものが知られている。ただし、当然ながら住む場所を強制的に奪われた住民意識の悪化はすさまじく、たいていの場合、別に支援する気もなかった匪賊およびゲリラへの支持が急速に高まる結果をもたらす場合がほとんどである。

むしろ、成功した事例を知らない。

ただし、どこぞのアメリカ合衆国やオーストラリアのようにだだっ広ければ、ネイティブ・アメリカンアボリジニが住んでた土地を武力で奪った後、人が住めないような土地に居留区を作って押し込んだ後、武器を奪って警察権力で押さえつけるというパターンも可能である。当然、人権なんて話ははなっから諦めてるけれども、一応はそういう荒業も可能である。けれど、たいていの場合は住んでた土地を奪われた結果、イスラエルとパレスチナの争いのように数十年単位で憎しみが連鎖し続けるのが普通である。

この作品の世界観について[編集]

この作品は、あくまでも架空の世界における戦争を扱った物語である。そのため、作中にいくつかの矛盾や謎、突っ込みどころが存在し、作中においてそういった矛盾についての埋め合わせを行ってはいない。あくまでも、大きな世界観に振り回される主人公たちを主軸においている。

そのため、軍事部門では石炭が機関車に使われている世界で、ロケットや電子機器が普通に登場し、文化面では、電話タイプライターが使用されているにも関わらず、そろばんが出てくる。

てゆうか、要塞内部の床材のほとんどが。すべからく、燃えやすい素材である木。

・・・だから、こういった状況にも通用する悪魔のような言葉が存在する。だって、ほら。ソ連軍だから。この一言で、様々な矛盾が一瞬のうちに吹き飛ぶのは、それだけ現実のほうがとんでもないからである。ちなみに、作中において督戦隊(ロシア語:Заградительный отряд)はまだ出てこない。出てきたらどうしよう

よくあるよくある[編集]

架空の世界の物語である大砲とスタンプであるものの、2014年2月から発生したいわゆる2014年ウクライナ騒乱は、ものの見事にそれまで平和だった架空のはずのアゲゾコ市、のように見えるドニプロゼルジーンシク市を内戦の現場へと変えてしまう。なんせ、親ロシア派政権への不満から市民が大規模デモを起こして、その後クーデターのような形で政権を倒すまではいいとして、いかんせん、西側諸国へ接近しようとすればあーた。ウラジーミル・プーチンの逆鱗に触れるに決まってるでしょーがあーた。

というわけで、即座にロシア軍の介入を招いてしまい、ロシアの軍事基地が存在するクリミア半島がロシアに編入される事態までに発展。2014年クリミア危機という形で国際問題となりロシアへの経済制裁が発動する事態にまでなるものの、よくよく考えてみると火薬庫の前でファイアーダンスを踊るな、もしくはプーチンがトップにいる国の側で、ロシアの軍事基地がある国が西側に接近するなレベルのトンデモな動きであるため、まったく国際的な支持を取り付けることはできない状況で西側諸国ですら協調姿勢はとられず、まったくもってプーチンの支持率は低下しないということとなる。逆にバラク・オバマ政権の対応に批判が集まる時点で、相手が悪すぎる。

おかげでまぁ、この物語が別の意味で面白くなった件については、よくあるよくあるとしか言えない。少なくとも、ロシアに関わる全ての作品によくある話としか言いようがない。

至言[編集]

曲がりなりにも戦争を描いた漫画であるため、そこかしこに至言が見え隠れする。戦争という一つの事象が、ドンパチしている最前線だけで行われていると考えてはいけない。

  • 素人は戦術を語り、玄人は戦略を語り、プロは兵站を語る。
  • 「一番有能な軍隊よりいちばん無能でない軍隊が勝つ」「・・・軍人一家の教訓ですか?」「小説で読んだ」
  • 書類で戦争ができるか」「書類で戦争をしてるんですッ

関連項目[編集]

Wikipedia
ユーモア欠落症患者のために、ウィキペディア専門家気取りたちが「大砲とスタンプ」の項目を執筆しています。