機会の平等

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機会の平等(きかいのびょうどう)とは、きっとかなわない物語を幻想させる概念である。

概要[編集]

これまで確保されていたことになっている結果の平等」に対して打ち出された概念が「機会の平等」である。つまり、「誰でも何にでもなれる機会がある」ようにしておけば、そこから生まれる結果が個々人の努力内容とは無関係な要素に左右され、不平等な結末を迎えたとしても許されるという新時代の到来だ。

そして、機会の平等の名の下で、夢を売り物にするビジネスが様々な分野で発展した。そして、以下のような物語が世界中で展開されるようになった。「機会の平等」の風に乗る資本家たちは以下の登場人物たちが払った金で「自己分析」とか言いながらホクホクしている。

美容[編集]

女子Aはある時、このような勧誘文句をみた。「機会の平等の新時代です。不細工な君でも絶世の美女になれる新時代です。さあ、そのカギを××美容整形事務所で手に入れましょう!」

容姿を常時バカにされてきた女子Aはその言葉を信じ、1万ドル以上かけて整形手術を受けた。そして、美形に変身したAは専属モデルとなるべく全国各社の試験を受けたが、美女の取るべき立ち居振る舞いがまるでなっていないと落ち続けた。Aは反省し、2年かけてこれまでの生活を全改造したが、その頃になると「美容整形した美人はそれだけで不細工」という風潮が常識とされるようになった。そして、かつてのAの容姿によく似た別人と振る舞いが美の標準とされていた。

軍隊[編集]

某国の軍事リクルーターがいかにも筋力のなさそうな男子Bに向かって、眼の大きな女子軍人のポスターを見せながら勧誘した。「軍隊は機会の平等が最も大事にされる対等な組織だ。いかにもモテてなさそうな君も軍隊で筋力をつければ、たちまちカワイイ女子に囲まれるようになるぞ」

運動部に入ったことのなかったBはその言葉を信じて入隊した。そして、幼い頃から軍人の体力と規律を徹底的に仕込まれてきた先輩上官にこき使われた。それでも、Bはモテモテにモテる日を信じて耐え抜き、訓練を何とか耐えられるそれなりの体力とそれなりの規律を身に着けた。しかし、基地内外の女子たちは入隊前から筋骨隆々で、訓練を経て更に隆々となった同期入隊組の方ばかりを好み、Bを相手にする女子は一人もいなかった。

寂しさの中、Bは入隊前、カワイイ存在扱いされていた過去の自分を思い出した。そして、この筋力がそうした地位への回帰を全力で妨げていることに涙した。そして、自分をなにかと馬鹿にする同期たちの引き立て役にされてはたまるまいと気を真面目に引き締めた。

丁度その頃、隣国との国境紛争が勃発した。Bは最前線を志願し、1日で終わった戦争の中であっさり戦死した。味方が勝利する中で出た唯一の死者だった。同期の隊員たちは「葬式と火事の時だけは派手に祝ってやるからな」と弔辞した。

転職[編集]

9割5分男子の大学の理系学部を出た男子Cは、自企業の自部門が生み出した技術革新で過剰人員となり、肩たたきの対象となった。「機会の平等を活かして、今や不要となった君の習得技術にとらわれず新たな道を切り開きたまえ」と退職時に訓辞された。

Cはその言葉を信じて、文系の職域に手を伸ばし、アルバイトで働きつつ3年間の猛勉強を経て資格を取得した。そして、学歴欄だけでいくら落とされても挫けず、何社か面接に挑んだ。どこでも面接官はたずねた。「あなたの退職した会社の新技術の恩恵には、我が社もたっぷり授かっております。ところで、なぜその中核部門にいたはずのあなたは解雇されたのですか?本来なら、求職しなくて良いほどの退職金を受け取れるはずです」

この質問の前には、どんな答えも無効だった。

教訓[編集]

真の適性を知りたいのなら、学校での各種経験を回想してみるがよい。同世代が集まる空間で暴露された長所と短所が「きっと何者にもなれないだろうお前たち」の生存戦略で基盤になるはずだ。学校は機会の平等を担保する。

関連項目[編集]