タンポポ
タンポポ(蒲公英)とは、大地を彩る黄色い多年草の花であり、風に種を乗せる風物詩であり、末期の雑草である。
概要[編集]
タンポポはキク科の植物であり、ユーラシア大陸及び日本列島であれば各地で見ることができる身近な花である。英語名は「ダンデライオン」でライオンの牙を意味し、フランス語では「ピサンリ」と呼ばれ『ベッドの中のおしっこ』を意味する、勇ましいやら情けないやら。近年では外来種のセイヨウタンポポが進出を続けているが、性質上住み分けができているようである、在来種と外来種の区別については下記を参照の事。
在来種と外来種[編集]
タンポポは大きく分けて日本に2種咲いているが、非常に大雑把な方法で大体の区別がつく。
- ふわっと広がった美しい黄色い花であれば在来種、開きが狭くて裏側に黒っぽいのが伸びているちょっと汚そうなのが外来種
- 涼しい、もしくは寒い場所にいたら在来種、暑くてうんざりするようなところに生えていたら大体外来種
一応在来種と外来種が交配した雑種も存在するが、外来種の遺伝子が残りすぎて在来種の面影が無い。大半の専門家でない者には区別がつかないので外来種と一緒くたにされる場合が多い。
たんぽぽの生涯[編集]
まずは種の着地位置から始まる。人間の子どもが産まれる親を選べないように、たんぽぽもまた生まれる場所を選ぶことができない。親となったたんぽぽから白い綿に乗って飛んだ時から運命は始まっているのである。風に乗って遙か上空を旅するかもしれないし、信じられないくらい近くにぼてっと落ちるかもしれない。あるときは大草原に、またあるときは家屋の庭に、またあるときは都会のアスファルトの隙間に芽吹くかもしれない。悲しい運命を辿るかもしれないが、こればかりは諦めるしかない。
次に大事な事が芽吹きである。着地した地点が発芽に値する位置であればその種は芽吹くかもしれないし、芽吹かないかもしれない。そして芽吹いたタンポポは仲間多き大地か、ほどほどに芽生えた土地か、荒涼とした地で孤高に咲くことになる。群生するも単一の美しさを持つも全ては運次第である、世知辛い。
芽生え、花を咲かせ、時に人の心を捉え、時に踏み潰され、時に除草され。受粉までの時を各々が苦難を経て過ごす。もちろん受粉できないケースもあるが、それもまた仕方の無い事である。地球に生きる生命がそうであるように、タンポポもまた優良な種を残そうとするため、欠陥のある種は排除される。ダメな奴は何をやってもダメである。
受粉を終えたタンポポは、美しかった黄色い花を散らして白い種付きの綿を生やす。この綿は種を乗せ、また大空か、はたまたすぐ隣か風と共に種を運ぶのである。種を飛ばし終えたタンポポは見るも無残な姿になっているが、これも次代に先を託したがためである。
種すらもなくなったタンポポは、残りの生涯を老害として過ごす。育ちもしないくせに周囲の栄養を吸収し、人間にとっては無駄に根の強いただの雑草同然となる。タンポポの生涯は悲しい人生の縮図そのものである。
関連項目[編集]
- 人生 タンポポの一生が悲しいかは見るものの主観である。
- キク 刺身に乗っている奴。タンポポではない。
- 刺身の上にタンポポをのせる仕事