GEAR戦士電童

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『GEAR戦士電童(ギアファイターデンドー)』とは、サンライズが「万人受けするロボットアニメ」を目指して製作した実験作である。

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概要[編集]

時は90年代末期。時代を一変させた怪物『新世紀エヴァンゲリオン』により、ロボットアニメは一種の末期的状態に陥っていた。正義の信念のぶつかり合いだの人間の可能性だのと言った強いメッセージ性や、わけわからんほど作り込まれた世界観、あきれ果てるほどの美麗な作画、更には急増した「オタク」へのアピールなど、エヴァにより跳ね上げられたハードルは最早意味不明なまでに上がり、何かしらの「とがったもの」が求められるようになった。その結果生み出された『勇者王ガオガイガー』は、製作スタッフのあくなき暴走もあって過剰なまでのオタク受けを成し遂げたものの、あまりの濃さと尖りぶりに子供たちは呆れ、勇者シリーズに終止符を打つ結果となってしまった(詳細は該当項目参照の事)。

ロボットアニメとは本来30分オモチャCMである。いかに作品が大きなお友達に受けようが、それを買い支えるファミリー層が受けなくては意味が無い。これを受けて勇者ロボを製作していたサンライズは、「これからはオタク受けばかり狙ってはダメだ。各方面全てに愛されるような作品にならなければ」と決意。くしくも時はまさに世紀末。新たなる21世紀の到来を目前として、「テレビの前の視聴者全員に嫌われない作品」として、バンダイ側よりオモチャの提案を受け『電童』の製作が決まったのである。そのために呼ばれたのが、『機甲戦記ドラグナー』『魔神英雄伝ワタル』をヒットさせた福田己津央と、その妻の両澤千晶であった。

後述する通り、電童のコンセプトは「とがらない」ことである。玩具が安全性を配慮して鋭角的ではないという意味ではない。全方面の視聴者を想定して、変に意識して奇抜な作風になるのを避け、視聴者が不快にならず視聴をリタイアしない「やさしい」作品として作られたのがこの『電童』なのだ。

想定された視聴者層とその配慮[編集]

低年齢層
いうまでもなくロボットアニメのサテライトであり、旧来のメイン視聴者である。電童のオモチャで本気のブンドドをしてくれるのは彼ら(一部の彼女ら)のため、ここへのアピールは欠かせない。そこでまず電童を、当時のK-1ブームに乗っ取った少林寺拳法ロボとして設定。戦う際には技名を詠唱し、デカデカと文字を乗せる。更にはデータウェポン(以下DW)という専用アイテムは、なんと動物そのものという思い切った設定に。主人公側が使用するのはライオンユニコーン(丸のことドリル)と、いかにもスーパーロボットっぽいチョイス。序盤の敵機獣も身近な電化製品や乗り物がモデルで邪悪獣ガイスターロボを思わせるシンプルぶり。これにより、単純な子供たちは「でんどーがんばぇー」と毎回応援してくれたのである。
彼らが感情移入しやすいように銀河の妹・乙女が作られたのは言うまでもない。また、子供たちでもわかるような息抜きを挟むために、ガルファ三馬鹿による漫才も組まれた。
少年層
主人公である銀河・北斗と同年代の、小学校高学年~中学生くらいの層。この頃になると「スーパーロボットとかダセエよな!」「オタクっぽいぜ」などと抜かし始めるため、それを見越したうえで作られたのがライバルキャラのガルファ第一皇子アルテアとその愛機・騎士凰牙である。漆黒のスタイリッシュなフォルムに加えて、パイロットとオソロのニヒルなマスクは、いかにもヒロイック然とした電童とは対照的に中二病まっさかりの少年たちに刺さること間違いなし。使用するDWもカッコいいコブラと武骨なと、ツウ好みである。これはしびれる。
この年代の視聴者は多くが凰牙とアルテアのカッコよさに魅入られていた事であろうし、彼らが語るなんかちょっと難しそうでそうでもない言説にも胸打たれていたのである。
少女・腐女子
こういうアニメは男児向け…というのは『グレートマジンガー』あたりの頃までの話で、90年代ではカヲル君ハァハァ、ヒイロ様私を殺してーんな女の子(一部明らかに子じゃない奴)もわんさかいたのである。そのため、主人公は男子小学生2人とされ、頻繁にケンカしては仲直りして巨悪に立ち向かうというベタな構成が作られた。また、少年層受けを狙うアルテアもスカした中二病っぽい事を言わせ、顔面偏差値も作中屈指のレベルにまで引き上げる事でその充足を満たした。
極めつけは後半に登場するガルファの第二皇子スバルである。ロボットアニメの敵の帝国の王子。これは古くから最高の腐女子の餌であった[1]。元々、スバルはエリスに対応する敵側のヒロインになる予定だったが、男の方が面白いからという理由で変更された[要出典]。これにより、後半の北斗がガルファの洗脳を受ける回でのスバルとの儚い友情が掘り下げられ、人気を博した。
ファミリー層
子供向け番組というものは一緒に親も見ることが多い。だからあまりに下品な描写、グロテスクな描写は忌避し、子供と一緒に楽しめるような作品を目指した。主人公2名の母親はいずれも心身ともに強い共働き家庭の肝っ玉母ちゃんであり、父親はちょっと頼りないが家族思いの素晴らしい父ちゃんだ。アルテアも含めた家族の絆、スバルも交えた友情の大切さをしっかりと描くなど説教臭い教育的配慮も忘れない。
一方で、子供の頃テレビにかじりついてマジンガーZ1stガンダムを見ていたお父さん世代の為に、そうしたクスリと来るパロディ(敵が「オレを踏み台にした~」と発言したり、電童がヨーヨー弓矢で戦うなど)も交えたのはいいエッセンスであろう。
大きなお友達
残念ながら視聴者層として一定程度存在する層。正直ウザってえが、金出してガキのオモチャを買い叩いてくれる以上、イヤでも彼らを取り込まねばならなかった。そのためのエッセンスとして、ヒロインには利発な天才幼女のエリスを設定し、現実世界のアイドルとコラボしたユニット「C-drive」を起用。そして恐怖の属性爆弾ことベガさんを投入する事により、撒き餌をばら撒いた。こうしておけば腐向け乙などと腑抜けた事を抜かす検閲により削除どもを黙らせられるからである。

あらすじ[編集]

(脳内で三石琴乃の声をイメージしながら読むように)

それは、とても空がきれいな夜の事でした。その夜、星の彼方から一人の水色の髪の少女が、六つの光を引き連れて落ちてきました。その少女は日本人の富豪に拾われ、娘として育てられました。

それから17年の月日が流れました。月面に、全ての知的生命を憎む機械帝国ガルファの螺旋城が降り立ったのです。ガルファの差し向けた機獣から逃げ惑う二人の少年・出雲銀河と草薙北斗は、17年前に降り立った鉄の戦士_電童に選ばれ、ガルファに立ち向かうこととなりました。ガルファに仕えるもう一体の戦士・騎士凰牙を操る仮面の男・アルテア。銀河と北斗を支える防衛組織GEAR。そして全て揃えれば宇宙を手にすることができると言われているデータウェポン。数々の野望が、正義がぶつかり合う中、物語は嵐の海へと向かっていくのです。

登場人物[編集]

GEARの愉快な仲間たち[編集]

草薙北斗(CV:進藤尚美
主人公その1で頭が良い方。後述の設定から察して本来の電童のパイロットは彼と思った方がよい。途中でスバルに一方的にフラグを立てられ、洗脳されて敵に回ったりもする。名前からして拳法を使いそうである。
出雲銀河(CV:松岡洋子
主人公その2で頭が悪い方。北斗の近くにたまたま居たからというぞんざいな理由で選ばれた電童に選ばれたいがぐりボーズ。のび太並みの学力とジャイアン並みの身体能力を有するアイドルオタク
アルクトスの子供達と戯れるベガさん
ベガさん(CV:三石琴乃
上記2人を差し置いて本作の真の主人公であり、恐らく一番知名度が高いキャラ。年甲斐も無く金髪にガンダムシリーズのライバルキャラのような仮面、ピタピタのキャッツアイ衣装を着用した奇人変人であるが、見掛け倒しではなく生身でベイブレード爆弾やメジャー鞭で巨大な敵に立ち向かう女東方不敗。おまけに巨乳であり、最終回では穴におっぱいが引っかかるという定番のギャグを披露したほど。
しかしてその正体は北斗の母親・草薙織絵さん(29)であり、ガルファに滅ぼされたアルクトスの王女(第二王位継承者)という、属性のサラダボウル。このアニメを見た男児(初版執筆者含む)の性癖が歪むのも当たり前である。
エリス・ウィラメット(CV:鶴野恭子
ツンデレ天才幼女。流石に人妻経産婦がヒロインではまずいという理由で急遽登場した。かわいい。
その他
長くなるから省略。

アルクトス人[編集]

アルテア(CV:野島健児(少年期)/中田和宏
本作のライバル・アンチヒーロー。ガルファ皇帝親衛隊隊長の変態仮面Mk-2。
その正体はアルクトスの王子でありベガさんの。つまり、超お金持ちの老人の下で何不自由なく暮らし、年上の恋人とイチャイチャし、10代で盛りまくって子供を作り、幸せな家庭を築き、仕事は結構きついがやりがいはあるしまず間違いなく首にならない公務員として手堅く過ごしていた頃、彼は色気の欠片も無い鉄の星に通いつめて金という概念があるのかどうか怪しいような職場で扱き使われ続け、童貞のまま三十路に突入したという事である。悲惨すぎないか。
こんな悲惨すぎる青春を送ったせいでかなりのシスコンになっており、部屋には幼い頃のベガさんの写真が飾ってある。
ガルファ滅亡後はとりあえず血筋でに即位したが、とりあえず王政を廃止し、とりあえず民主制に移行して選挙を行ったはいいものの、とりあえず国民が彼より有名で有能な人を知らなかったので君主になるという、ナアナアな経緯でアルクトスの最高権力者となった。
スバル(CV:鈴村健一
本作後半のヒロイン(割とマジで)。アルテアの弟として育てられたが実際はそこら辺にいたガキ。ろくでもない大人に騙されて刃を握りしめ、人を殺せと教えられて友達をでっち上げられてやっと掴んだ幸せを護る為に、実はただの捨て駒だという事も知らされずに戦いに向かわされた、赤い瞳の少年。ああ、悲惨。
その後、北斗だいちゅきパワーでしぶとく生き残り、無事に生き別れになった母親とも出会った。ドラマCDでは銀河の空気が読めない発言のせいでアルテアの養子にされそうになる。

機械帝国ガルファ[編集]

ガルファ皇帝(CV:速水奨
引きこもりの独裁者。脳をいくら増やしたところで元の出来が悪ければ意味が無いいい例。最後は北斗と銀河にケーキ入刀された。
ゼロ(CV:同上)
ハゲホスト。ガルファ皇帝の生き汚さの象徴。皇帝と一緒に倒さないと絶対死なないという保険が掛けられている。趣味は自殺

登場メカニック[編集]

GEAR戦士[編集]

電童(でんどー)
背中の巨大乾電池で駆動するタービンロボ。ロボットアニメで最も多く正座をしたロボであり、正座したまま突撃することもザラにある。内部パイロットは二人同時にエキスパンダーでストレッチをすることで動かす為、一度闘うたびにダイエットになりそうな健康に良い機体。凰牙入手後は一人乗りに改造されたりもしたが、やっぱり2ケツでなければ電童っぽくないという事で最終的に2人羽織構造に戻った。
凰牙(おーが)
電童と対を為すボッチ用機体。ていうかどう考えてもこっちの方が動かしやすいよね。

データウェポン[編集]

本作屈指の癒し枠であり、可愛い電脳ペットさんたち。恥ずかしがり屋さんで、電脳世界の中でかくれんぼするのが好き。

ユニコーンドリル
青く輝く狂暴な愛馬。別に処女厨とかではない。最初に登場した時は男のロマンがわかっていないバカガキ2人から「武器がは無いよな」などとハモられた可哀そうな子。
レオサークル
白き獅子王。女の子大好きなお調子者。ユニコーンドリルと合体して物々しい姿に変貌を遂げる。しない方がカッコいいのになあ。
バイパーウィップ
紫の地を這う大蛇。超が付くほどのヤンデレでアルテアの嫁。
ブルホーン
橙の猛牛。牛にそんな習性は無いのに、赤いものを見るとコーフンしちゃう困ったちゃん。電童に合体する位置がユニコーンドリルと被っており、最終回では一斉攻撃で彼を表すオレンジ色のビームだけ描かれなかったという伝説がある。
ガトリングボア
緑の猛猪。おっとりしているが一定区間の時間を停止させるというロボットアニメにあるまじき能力があり、後半はもっぱらその用途の為だけに呼び出される。
ドラゴンフレア
赤炎の飛竜。見た目も名前もめっちゃ強そうなのに、が出る以上の用途が無く不遇気味。
フェニックスエール
銀色の不死鳥。電童や他のデータウェポンに無限にエネルギーを供給する事が出来る最後の切り札。ロリコンなようで、幼い頃のベガさんの姿が大好き。

漫画版[編集]

そ ん な も の は な い

放送後の経過[編集]

かくして、全方面の視聴者層に配慮してこれでもかと設定を詰め込む一方、嫌われることの無いように尖った要素を限界まで削ぎ落した[2]上で、この『GEAR戦士電童』は放送された。

で、結論から言うと、打ち切られた。いやいや、全方面から好かれるように作られたのならヒットして当然じゃないか、と思う諸君もいるであろうが、本作はそうはならず、続編の企画もとん挫し、以降全く音沙汰がないくらいに完膚なきまでに打ち切られた。

その理由は有体に言えば玩具が売れなかったからである。アニメで矢鱈詰め込んだ設定があだとなって機構はどんどん複雑化し、値段も高くなっていった。冒頭で述べた通り、子供向けロボットアニメとは「30分玩具CM」でありながら、良い作品を目指して要素を詰め込むと逆にそれが足を引っ張るという矛盾が本作で露呈してしまったのである。つまりは、嫌われない、尖らない選択をしたことで、「お金を出す」視聴者の篩の隙間から零れ落ちてしまったというのが『電童』の末路であった。

オマケに、データウェポンの多すぎる設定、玩具と連動したデンドーデンチシステムの煩わしさもあり、しくじりロボットアニメの救済措置[3]的な意味合いの強い『スーパーロボット大戦シリーズ』においても、電童はあまりの再現の面倒さが祟ってスタッフから「スパロボ殺し」の烙印が押されるに至っている。なんならベガさんの乗るバイクの方がシステム的には強いくらいである。

『電童』は「すべてに好かれる」というマーケティングは往々にして立ち行かなくなるという教材として今なお名を残し、多くの少年少女の性癖を歪めたことで実も取ったのである。世の中はかくも難しい。この事を受けた福田夫妻は「やはりなにがしか尖ったモンが無いとロボットアニメはダメだ」という結論に辿り着き、乳揺れやらベッドシーンやら人間爆発レンジやらBL(?)やらが乱舞する機動戦士ガンダムSEEDに着手、こちらはその圧倒的な尖りぶりが世界的なヒットとなり、奇しくも電童の失敗を踏み台としたと共に、もはやロボットアニメは『ガオガイガー』のようにマニア受けありきの代物であることをまざまざと証明するに至った。

そして、『電童』の失敗はロボットアニメが子供向け30分玩具CMとしては訴求力を失いつつあることの現れでもあり、2018年の『新幹線変形ロボ シンカリオン』に至るまで、ゾイドガンダムなどの長期シリーズを除けばまるでヒットが無かったことがそれを象徴してしまっているのである。

でさ、漫画版は[編集]

そ ん な も の は な い と 言 っ て い る だ ろ う

脚注[編集]

  1. ^ 勇者ライディーン』のプリンス・シャーキン、『超電磁マシーン ボルテスⅤ』のハイネル、『太陽の使者 鉄人28号』のグーラなど枚挙にいとまがない。ちょっと古いかな
  2. ^ ナイスバディなベガさんに対しても、胸の谷間を描かないように等徹底されていたことが当時の資料で描かれている。
  3. ^ 矢鱈面白そうに見える冗長な展開がカットされる本編より動く急すぎる展開が緩和される不遇な扱いを受けたキャラが改善される悲惨な末路が回避されるハッピーエンドになる

関連項目[編集]